2017 Fiscal Year Annual Research Report
Infrared interferometric approach on supermassive black holes and their binary structure
Project/Area Number |
16H05731
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
岸本 真 京都産業大学, 理学部, 准教授 (00733354)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 宇宙物理 / 光学赤外線天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
CHARA (Center for High Angular Resolution Astronomy) は6つの望遠鏡からなる赤外・可視光干渉計である.これまでほとんどの場合比較的明るい天体の観測を行なっていたため,天体を検出装置上に正確に導入するためのカメラの感度が低く,暗い天体の導入が常に難しかった.これに対して,各望遠鏡につき一台のより高感度の撮像カメラを購入して設置し,高感度天体導入システムを構築して運用を開始した.これにより,より暗い天体の導入が容易になった.また,各望遠鏡にWave Front Sensorが取り付けられ,この新たな補償光学システムによって,より高感度のtip-tilt correction(天体中心位置の,大気による揺れの補正)が行なえるようになった.2017年5月と9月,2回の活動銀河核の観測を行ない,悪天候の中,なんとか行なったテストによると,おそらく感度が2等級向上したと思われる.さらに,リアルタイムモニタリング・解析ソフトウェアの開発を行ない,2017年9月に最初のテストを実行した.これにより,高感度でのフリンジ検出が可能になったと思われる. また,同じく2017年9月に,ALMA (Atacama Large Millimeter and sub-millimeter Array)によるサブミリ波干渉計データを取得することができた.これについては現在解析を進めている.VLT干渉計 (Very Large Telescope Interferometer) の中間赤外データについては,構造の光度依存性を調べてきたが,現在もこれは続行中である. 一方で,HST (Hubble Space Telescope) のいわゆる面分光データを用いて,速度場からの3次元空間構造マッピングの方法を開発してきた.これを多くの活動銀河核に適用することで,異なるタイプの銀河核の比較と,速度場の一般的な物理的解釈を進展させることができるのではないかと考えている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年5月の観測では観測所の電源システムのトラブルでほとんど観測ができず,また,9月の観測時間では悪天候のためほとんどデータが取れなかった.しかしながら,いくつかの重要なテストは実行できた.また,高感度天体導入システムと補償光学システムの構築・導入に関しては大きく進展した.
|
Strategy for Future Research Activity |
CHARA観測所において新たに導入した高感度天体導入システムと補償光学システムを用いて,2018年4月(および9月)に観測を実行する予定である.リアルタイムモニタリング・解析ソフトウェアの開発を続行し,CHARA観測所における活動銀河核観測の確立を目指す.同時に,ALMA,VLTI,およびHSTのデータの解析を進め,高空間分解能を基軸とした活動銀河核探査を推進する.
|