2017 Fiscal Year Annual Research Report
大規模開発下における熱帯泥炭湿地の水文過程解明と防火のための水・植生管理の検討
Project/Area Number |
16H05747
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甲山 治 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70402089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 一生 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (30533012)
伊藤 雅之 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (70456820)
嶋村 鉄也 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (80447987)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熱帯泥炭湿地 / 防火 / インドネシア / 植林 |
Outline of Annual Research Achievements |
インドネシアでは、近年の大規模開発によって泥炭湿地が乾燥化し、火災が頻発している。これにより、農地が延焼し住民の貧困が拡大しているとともに、煙害による健康被害なども深刻化している。その対策として、消火などの対症療法でなく、本来湿地であった泥炭地の生態系を回復させ、同時に有用樹を栽培し住民の生計向上を図ることが求められている。泥炭火災の頻発するリアウ州ブンカリス県タンジュンルバン村において、泥炭地の再湿地化と在来種の植林を住民、行政、企業との協働で行うことを通じて、泥炭生態系を回復させ、火災発生を防ぐとともに住民の生計向上を図っている。 2017年度は主な研究対象村であるリアウ州ブンカリス県タンジュンルバン村にて、世帯ベースライン調査ならびに再湿地化・植林活動への参加意向調査を継続実施した。調査の結果として聞き取りを行った41世帯中10世帯に協力を依頼し、同世帯の所有する239haのうち17haで再湿地化および植林を進めることを確認した。さらには村有地での再湿地化活動に向けて、村長を含めたメンバーと協議を行っている. より実践的な防火のための水・植生管理の検討を行うため、第一期再湿地化計画区域を含む上記10プロット(17ha)の特定と撮影・測量を開始した。第一期計画区域内で3月初旬に火災が発生し、約60aのアブラヤシ植栽地が焼失したため、火災前後のドローン撮影を実施した。さらには近隣の村で苗床で計4,200株の実生を準備しており、2018年度の植樹に向けて育苗を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象村であるリアウ州ブンカリス県タンジュンルバン村にて、世帯ベースライン調査ならびに再湿地化・植林活動への参加意向調査を継続実施した。さらにはドローンとDGPSを用いた地形測量を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
より実践的な防火のための水・植生管理の検討を行うため、2018年度は17haの植樹を行う。またより詳細な現象解明に向け,気象観測機器の設置を行う.
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Research Products
(7 results)