2017 Fiscal Year Annual Research Report
Current situations in nematode damage to sesame in Myanmar and development of its control measures
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16H05782
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
豊田 剛己 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30262893)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Heterodera cajani / Meloidogyne spp. / 孵化促進 / 緑肥 / リアルタイムPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ミャンマー国内の主要なゴマ生産地におけるHeterodera cajani(pigeonpea cyst nematode: PCN)の生息状況を明らかにすること、PCNに対して孵化促進効果を有する植物を選抜し、効果的な線虫密度低減法を開発することである。H29年度は、Yezin地域の主要なゴマ生産地帯から新規に23圃場を選抜し、PCNならびに他の植物寄生性線虫の生息状況を調査した。その結果、約20%に相当する5圃場でPCNが検出され、その密度は47~223卵換算/20g土壌であった。H28年度の調査では、Yezin地域では約1割の圃場でPCNが見つかったことから、Yezin地域は1-2割の圃場に汚染が広がっていることになる。州別にみると、最大のゴマ生産地Magway州で約6割が汚染されていたことからもっとも深刻であり、ついでYezin地域においてPCN汚染が広がりつつあると考えられる。PCN以外では、イネネモグリセンチュウ、モロコシネグサレセンチュウ、イシュクセンチュウ、ラセンセンチュウ、ヤリセンチュウなどの生息が確認されたが、ネコブセンチュウは検出されなかった。ゴマとマメ類あるいはイネとの輪作が主要な作付け体系のため、イネではネモグリセンチュウ被害、トウモロコシを作付けした際にはモロコシネグサレセンチュウの被害が危惧されるが、現状の作付け体系では、PCNによるゴマの被害がもっとも重大であると考えられる結果となった。 汚染土壌を大量にミャンマーから輸送するのは困難なため、実験室内でゴマあるいはキマメを栽培し、汚染圃場のPCN密度を高めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度調査予定であったゴマ播種時の線虫密度とゴマ収量の関係を見ることができなかった。理由は、今年度も昨年度同様、天候不順により、研究者側のスケジュールに併せたゴマの栽培できなかったためである。ミャンマーでも気候変動により例年通り作物栽培ができない状況が広がりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、線虫生息状況の実態把握と線虫防除法の開発を進める。引き続き、ミャンマーの主要なゴマ生産地における線虫汚染状況を調査することでミャンマーにおける本線虫汚染の実態を明らかにする。また、複数の種類の植物をPCN汚染土壌で栽培し、孵化促進効果ならびにそれに伴う線虫密度低減効果を評価し、種子の価格、発芽率、初期生育、密度低減効果の上で最適な植物種を選抜する。
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Research Products
(3 results)