熱帯乾燥季節林の水分ストレスと火災が炭素循環に与える影響評価と森林再生への対策

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16H05787
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 安立 美奈子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40450275)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 前田 高尚 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 主任研究員 (10357981) ; 石田 厚 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60343787) ; 吉村 謙一 京都大学, 農学部, 研究員 (20640717)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: 熱帯林の炭素循環 / 土壌呼吸速度 / 乾季落葉林

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、タイ科学技術研究所サケラート環境研究ステーション内にある乾季落葉林にて主に研究を行うことを目的としている。現地にて調査研究を開始するために、タイ政府から研究許可を得る手続きを行い、サケラート環境研究ステーションの所長とスタッフ、カウンターパートに対して研究計画の説明を行った。また、研究を円滑に実行するために共同研究者らが調査地を視察して、実験装置の位置、実験を行うための電源確保の方法や必要な機材などについて打ち合わせを行った。特に、乾季落葉林にて火入れ実験を行うため、研究意義と実行時期について現地スタッフと議論を行った。タイ側のカウンターパートには土壌呼吸速度の連続測定のためのシステム作成を依頼しているため、システムのために必要な機材や消耗品等の確認を行い、必要な機材の一部は日本にて購入手続きを行った。また、これまで現地で観測してきた土壌呼吸速度の結果の解析を行い、雨季と乾季における環境要因との関係などの検討を行った。今後はこのデータをコントロールとして、根切り区や野焼き区などに土壌呼吸測定システムを導入してデータの比較を行う予定である。また、土壌実験については今年度中に現地で行うことが困難であると判断したため、予備実験を日本国内の火入れを行った調査地にて行った。
今年度は研究代表者が産休・育休に入るため研究の中断をすることになったが、中断中にも研究実行のための実験システム構築や試運転などを現地のカウンターパートに依頼しており、研究再開後も円滑に研究が進められるようにできる範囲で準備を進めている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究代表者が平成28年11月6日より産前・産後休暇および育児休業の取得により研究活動を中断するため、タイでの研究調査の実行に関する準備が途中で止まってしまった。しかし、タイ側のサケラート環境研究ステーションのスタッフやカウンターパートには研究計画に対する理解と協力体制は得られているため、来年度以降の研究再開後も円滑に実行できる。

Strategy for Future Research Activity

研究再開後は、研究計画通りに現地調査を進めていく予定である。しかし、タイでは国王崩御により今後は国内情勢が不安定になる可能性もあるため、渡航が困難になる場合には日本にて実験の一部を行うことも考慮に入れている。