2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the early life history of migratory marine fish resource by international cooperation: case studies of genus Seriola species in the East China Sea
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16H05794
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阪倉 良孝 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (20325682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 崇 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40313390)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 初期生活史 / 東シナ海 / 国際協働 / 資源管理 / ブリ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,国境を越えて東シナ海を回遊するブリ類の生息域を全て網羅するように調査水域を設定する。この水域を日本と台湾とで3年に亘って共同調査し,ブリ類の仔稚魚を採集し,日齢査定と食性解析に加えて生息水域の環境情報解析を行う。さらに,遺伝子解析による系群判別を実施する。以上の知見をもとに,東シナ海のブリ類,特に知見の皆無であるカンパチの初期生活史の回遊パターンを詳らかにするとともに,資源量推定の算定基準に資することを目的としている。 本年度は,日台で共同採集したブリ類仔稚魚のミトコンドリアDNA解析に加えて,DNAマイクロサテライトおよびSNP解析を行ってデータの精度を高めた。マイクロサテライト(MS)マーカー解析については,既報マーカーを用いて4遺伝子座のマルチプレックスPCRシステム3セット(合計12座)を構築した。このシステムで採集した仔稚魚のサンプルを解析した。これらの仔稚魚について現時点では明瞭な差は検出されていない。さらに,台湾で2017年に採取されたカンパチ成魚(n=50)に形態的な差異を認めたため,これらが異なる系群であるかを,次世代シーケンサーを用いたGenotyping by Sequencing(GBS)法によるSNP解析で比較した。データ取得条件を満たした約75000座SNPマーカーを用いて2群を比較解析(Structure解析,系統樹解析,PCA解析)した結果,2群に遺伝的な違いは見られず,同一系統であると考えられた。 これらの結果とこれまでの知見とを照合すると,東シナ海におけるブリとカンパチの系群はそれぞれ1つであり,産卵場は両種ともに東シナ海陸棚の縁辺部に南北に広く亘って形成されているが,ブリの場合は我が国よりに産卵場が形成されて産卵期は2-5月であるのに対し,カンパチはより南側,すなわち台湾近傍で12~6月に産卵していると推測された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 東シナ海および台湾周辺海域におけるカンパチの回遊生態Ⅲ 産卵期の雄親魚に見られた特異的鉛直遊泳2019
Author(s)
河邊玲, 長﨑佑登, 刀祢和樹, 長谷川隆真, Wei-Chuan Chiang, Sheng-Tai Hsiao, Hsin-Ming Yeh, 中村乙水, 米山和良, 中村暢佑, Ching-Ping Lu, Sheng-Ping Wang, 坂本崇, 阪倉良孝
Organizer
平成31年度日本水産学会春季大会
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