2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of latent pathogenic viruses in Latin America and South-eastern Asia by virome analysis
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16H05805
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 靖子 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 講師 (60507169)
佐々木 道仁 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (70609403)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ウイルス / ゲノム / 新興・再興感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は現在申請者が有している国際ネットワークを活用し、調査フィールドを線として繋げ、Virome解析手法等を用いて新興・再興感染症の原因となる新規及び既知の病原体の分布状況を把握すること、得られた情報を既得の情報と比較することにより病原性ウイルスの分布・進化・生活環を把握することを目指す。 平成28年度は研究協力者のHall教授、研究分担者の大場講師と共に、南米ブラジル国のリオデジャネイロに位置するOswaldo Cruz Foundation (FioCruz)研究所を5月、及び7月に訪問し、Flavivirus LaboratoryのHeadであるAna Bispo博士と面会し、研究室で実際に実施されている研究状況を把握した上で、今後の共同研究計画についての計画を合議した。6月には同研究所とmemorandum of understanding (MOU:了解覚書)を締結した。 また8月には研究分担者の佐々木助教と共に、台湾の台中に位置する台湾中興大学を訪問した。同大学の獣医系細菌学研究室に所属するDr. Shyu Ching-Lin、昆虫学系医学昆虫学研究室に所属するDr. Tu Wu-Chun等を対象として、現在実施している蚊媒介性ウイルスの疫学研究の内容を発表した上で、研究打ち合わせを実施した。 共同研究実施に関して同意が得られたので、中興大学内畜舎周辺及び台中市から車で1時間30分位の距離に位置する斗南鎮の養豚場を訪問して、共同で蚊を採集した。採集した蚊(約2,000匹)の種鑑別を中興大学昆虫学研究室にて実施した後、同一種20匹程度からなるプールを作成した。その後、細菌学研究室で各プールよりRNAまたはDNAを抽出し、人獣共通感染症リサーチセンターに持参した。持参した検体を用いてアルボウイルスの遺伝子をRT-PCR法、次世代シーケンサー法を用いて検索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究実施計画に記載した下記の研究計画に基づいて以下の研究を実施した。 ・平成28年5月8-10日、及び同年7月25-29日に研究協力者のWilliam W. Hall教授のガイドの下、研究分担者の大場 靖子講師と共にブラジルのリオデジャネイロに位置するOswaldo Cruz Foundation (FioCruz)研究所を訪問し、Flavivirus LaboratoryのHeadであるAna Bispo博士と面会し、共同研究に必要であるmemorandum of understanding (MOU:了解覚書)を6月に締結した。更に、Flavivirus Laboratoryの実験室において、実際にどの様な実験器具が設置されているか、またどの様な研究が実施されているかを観察した上で、実際の共同研究についての打ち合わせを実施した。 ・佐々木 道仁助教と共に、平成28年8月8-11日に台湾の台中に位置する台湾中興大学を訪問し、獣医系細菌学研究室に所属するDr. Shyu Ching-Lin、昆虫学系医学昆虫学研究室に所属するDr. Tu Wu-Chunと共同研究についての合意を得て、節足動物である蚊を約2000匹採集し、その核酸を抽出し、人獣共通感染症リサーチセンターにおいてRT-PCR法、および次世代シーケンサーを用いたウイルスゲノムの解析を開始した。また、得られた情報について宿主の情報と病原体の情報を区分し、能率的に病原体の情報を選択的に取得する方法についての検討を開始した。 以上、平成28年度に研究実施計画に記載した計画は全て実施されており、研究計画は順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度においては、平成28年度に実施した研究に基づいて以下の研究を実施する事を計画する。 ・平成29年度に再度ブラジルのリオデジャネイロのOswaldo Cruz Foundation (FioCruz)研究所を訪問する。Ana Bispo博士及び、研究室の研究者と実際の検体の採集・解析をどの様に実施するかについて協議し、詳細な計画を立案し、研究の実施に向けた準備を進める。 ・研究協力者のWilliam W. Hall教授のガイドの下、中米のキューバ国を訪問し、同国の感染症関連研究所施設とmemorandum of understanding (MOU:了解覚書)の締結の準備を開始する。 ・平成28年度は8月に台湾中興大学を訪問し、採集した蚊から抽出した核酸を用いて、ウイルスのゲノム解析を実施した。昨年度は、デングウイルス、ジカウイルス等の蚊媒介性ウイルスの主要なベクターである、ネッタイシマカやヒトスジシマカの採集率が低かったことから、平成29年度は、これらの蚊の発生が増加する時期に再度台湾中興大学を訪問する。獣医系細菌学研究室のDr. Shyu Ching-Lin、昆虫学系医学昆虫学研究室のDr. Tu Wu-Chunと共に、ネッタイシマカやヒトスジシマカの発生地域の情報をもとに蚊を採集し、蚊媒介性ウイルスの解析を行う。 ・東南アジアでの疫学調査のフィールドとして、ベトナムを考慮する。ベトナムのハノイに位置するベトナム国立衛生疫学研究所内のThe Ireland Vietnam Blood Borne Virus Initiative (IVVI)の責任者である、Lan Anh Thi Nguyen教授と蚊の疫学調査の共同研究の合意は得られている(MOU締結済)。本年度は、ベトナムを訪問して、実際の検体の採集・解析をどの様に実施するかについて詳細な計画を協議する。
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[Journal Article] Isolation of a simian immunodeficiency virus from a malbrouck (Chlorocebus cynosuros).2017
Author(s)
Carr M, Kawaguchi A, Sasaki M, Gonzalez G, Ito K, Thomas Y, Hang’ombe BM, Mweene AS, Zhao G, Wang D, Orba Y, Ishii A, Sawa H
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Journal Title
Arch Virol
Volume: 162
Pages: 543-548
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Genetic diversity of rabies virus circulating in different hosts and regions in Zambia and Zimbabwe.2016
Author(s)
Muleya W, Chambaro H, Kajihara M, Saasa N, Mori A, Qiu Y, Sasaki M, Gwenhure L, Mweene A, Namangala B, Takada A, Sawa H
Organizer
第64回日本ウイルス学会学術集会
Place of Presentation
札幌コンベンションセンター、札幌市、北海道
Year and Date
2016-10-22 – 2016-10-25
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