2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05811
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
後藤 享子 金沢大学, 薬学系, 准教授 (50180245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 克典 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (20597687)
斎藤 洋平 金沢大学, 先進予防医学研究センター, 助教 (90723825)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インドネシア産植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
豊富な固有種を有するインドネシア産植物ならびにインドネシア伝承薬に着目し、それらが含有する新規二次代謝産物の化学的保存ならびに生理活性評価を目的としている。評価対象とした生理活性は、主として伝承薬としてはこれまで検討が十分でない抗がんあるいは抗ウイルス作用の2種であり、新規骨格あるいは新規な医薬品候補と成り得るリード化合物の発見を目指す。 インドネシア、スラウェシ島で入手した植物エキス数種のうち、抗がん活性が見られた2種について分画、精製を進めた。当該年度には、それら2種から新規サイクロアルタンアルカロイドを含め既知数種ならびに新規キノリンアルカロイド類を単離した。単離されたすべての化合物は、各種1D、2D-NMR等の機器分析を駆使し、絶対立体構造を含めた構造決定を行った。単離されたサイクロアルタンアルカロイドについては、多剤耐性がんを含めた5種のヒトがん細胞に対する増殖抑制効果を評価をし、骨格内にあるシクロプロパン環の立体が活性に影響を及ぼすという予備的な構造活性相関を明らかにした。さらに、HIVウィルスに対する活性評価を行い、有望な抗HIV活性を示すサイクロアルタンアルカロイド化合物を見つけた。引き続き、得られた活性物質の作用機序についての検証を行う予定である。これらの結果は、日本生薬学会第64回年会にて発表するとともに、アメリカ化学会発行の国際学術専門誌 Journal of Natural Productsに投稿する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インドネシアスラウェシ島で採取した植物2種については、順調に単離・構造決定が進行している。そのうち1種からは、特徴的なサイクロアルタンアルカロイド数種が単離され、がん細胞に対する増殖抑制効果ならびに抗HIV活性について評価をし、構造活性相関を検証した。これらの結果は、国際学術専門誌に投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、抗HIV活性化合物を得ることができたため、本植物のエキスを更に入手し活性化合物の単離を進め、量を確保し活性メカニズムの解析にあてる。キノリンアルカロイド類が単離された植物からも、種々の化合物の精製が進んでおり、順次構造解析を行って行く予定である。
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Research Products
(2 results)