2018 Fiscal Year Annual Research Report
Validation of microbial safety in drinking water in the world by comparative genomics of Vibrio cholerae
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16H05830
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 史人 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30423122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 尚子 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (50622023)
竹村 太地郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (60572899)
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
野中 里佐 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70363265)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コレラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も特にベトナム、日本のコレラの解析を進めている。ベトナムでは多くの途上国と同様抗菌薬の使用量が非常に多く、臨床的な使用とともに農水産物の生産段階での多量の使用が大きな問題となっている。多くのビブリオ属細菌はエビ等の病原体として知られており、養殖池でビブリオ病予防のために抗菌薬が長期間使用されることも多い。ヒトにおける薬剤耐性菌感染に関する解析は十分とは言えないが多数報告されているのに比較し、環境中における薬剤耐性菌の調査研究は非常に報告が少ない。本研究ではエビ養殖池、農村部での農業・生活用水、河川水の解析を行い、ヒトにおける薬剤耐性菌侵淫とそのゲノム情報との比較解析を行うことで、耐性遺伝子の伝達特性、拡散・消長の過程を微生物生態学的見地から明らかにすることを目的としている。本年度はベトナム北部ナムディン省60検体、タイビン省40検体、ハイフォン市近郊46検体の環境水(河川、農業生活用水)および養殖池の検体解析を行った。選択培養法によりV. choleraeを分離した。現在分離株のうち20検体の全ゲノム解析を進めるとともに、2016年度に収集した株の全ゲノム配列を用いて薬剤耐性遺伝子の検索を進めている。また愛媛大学沿岸環境科学研究センター共同利用研究として「Vibrio属細菌が利用する遺伝子伝達機構の多様性解明と日本沿岸からのVibrio choleraの分離」にも採択され、愛媛県河川・沿岸域および台湾養殖場からのV. choleraeの全ゲノム配列解析中であり、遺伝的多様性解析および薬剤耐性プロファイルを明らかにしているので、これを継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年に、チリのサンプル数が不十分であることが遅延の理由としてあげられたが、これまでに、チリに加えて、ブラジルの単離株のゲノムデータを取得し、アセンブルし、ドラフトゲノムデータの取得が終わっている。また、インドネシアにて、コレラの単離を試みたところ、身近な住環境からも単離に成功した。これらのゲノムデータを取得、解析するために携帯型DNAシーケンサーによる実験、情報解析系を確立した。愛媛由来のコレラデータ解析から、以下の知見が得られている。Vibrio choleraeは大きく二つのタイプに分けられる。200以上の血清型のうち、血清型O1, O139(ほとんどがコレラ毒素産生)がコレラの原因となる。日本では渡航先での感染が多い。その他の血清型(non-O1/ non-O139)は食中毒の原因となる。日本の自然環境中におけるV. choleraeの分布情報は限られている。V. choleraeは5月から11月に10地点中、少なくとも1地点から分離された。分離頻度は季節・サンプリング地点により異なった。調査地域にはnon-O1/ non-O139タイプのV. choleraeが常在し、主要な4つのゲノタイプが存在することが示唆された。全ゲノム情報についてより詳細な進化・系統解析には再解析が必要である。病原性に関与する遺伝子保有状況には二つのパターンがあり、ゲノタイプとの関連が示唆された。これらの成果から、本研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
日本のコレラについて、上述しているように、全ゲノム情報についてより詳細な進化・系統解析には再解析が必要であるため、これを進めていく。現在のところ、近年の日本の環境コレラは記載がないため、近年のコレラの現状を提示するものとなる。特に、ゲノムレベルでの日本のコレラの記載は存在しない、日本のコレラの情報は輸入によるものしかないため、日本に常在するコレラの情報がない、 日本のコレラのゲノム多様性の記述もはじめてとなり、他の国のコレラと日本のコレラの関係性も初めて報告できる、得られたデータから常在性と優占種がいながら、複数株が共存していることが考えられ、アメリカで近年報告されたことが同様に起きている可能性がある、これは、位置をきめて多数株をとっていなかったから、見えなかった現象だと考えられる。このように多数の新知見が得られてきており、これを実証、報告することを進めていきたい。
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