2016 Fiscal Year Annual Research Report
慢性低酸素性肺高血圧症の新規診断治療法の開発 -高地居住者の分子遺伝学的解析-
Project/Area Number |
16H05836
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
水野 史朗 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (80397281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安尾 将法 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (20402117)
石崎 武志 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80151364)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エクソソーム / 低酸素性肺高血圧 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はキルギス共和国の高所性肺高血圧患者を対象として、低酸素性肺高血圧患者における循環血液中の一酸化窒素(NO)活性、疾患遺伝子特性を明らかにし、慢性呼吸器疾患の進行とともに生ずる慢性低酸素性肺高血圧の診断、治療応用へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。具体的にはキルギス国立心臓病・内科センター、または同国の共同研究施設において高地性肺高血圧患者群とコントロール群を選択、同患者群から血液サンプルを採取し血管増殖因子やアポトーシスに関連する遺伝子多型や血球中細胞の遺伝子発現、血清中のエクソソーム中のマイクロRNAの発現を検討することを予定している。 本年度は上記患者群の選定の状況であり、キルギス共和国において、肺高血圧患者、低地居住のコントロール群患者の血液、遺伝子サンプルの集積を行っている状況である。ただし、上記患者群での測定標的遺伝子の選定を行っており、低酸素暴露、またVEGF受容体拮抗剤投与後に低酸素に暴露した肺高血圧ラット(SuHx)モデルを作成し、同ラットにおける血球細胞、血清中のエクソソームを抽出しマイクロRNAの測定、また肺組織中のマイクロRNA遺伝子発現について検討した。まず、同肺高血圧ラットの血清より抽出したマイクロRNAをアレイを用いた各群での発現をクラスター解析を行い、標的遺伝子の検討を行った。その結果miR-30e、miR-664-1-5p、miR-874-3pの発現がコントロール群ラットに比して有意に変動しており、miR-30eがラット平均肺動脈圧との相関が最も良好であった。肺組織中での同遺伝子発現には有意は相関は無かったが、肺血管における発現を検討する必要があり、現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キルギス国での倫理審査と本研究施設での倫理審査の承認に予想よりも時間が掛かってしまい、承認を受けた時期が9月になってしまったことより、天候の良好な夏期に行う予定であった山岳部位でのサンプル収集が実行困難となり、キルギス国の高地居住者の肺高血圧患者サンプル収集、解析が予想よりも遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素性肺高血圧モデルラットのマイクロRNAの発現の結果を基に、キルギス国居住の肺高血圧患者群を対象に、血清中、血球細胞よりの遺伝子発現、マイクロRNAの発現を検討し、肺循環マーカーとの相関を検討する予定である。 また、ラットモデルにおけるマイクロRNAの発現分布を肺組織のISHや発現蛋白の免疫染色を行い、同遺伝子の肺血管リモデリングに関する機序についても検討する予定である。
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Research Products
(3 results)