2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on software economics involving multiple projects focusing on vulnerability information markets
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16H05857
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
畑 秀明 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (00713041)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソフトウェアエコノミクス / ソフトウェアエコシステム / 脆弱性報奨金制度 / 寄付 / ブロックチェーン |
Outline of Annual Research Achievements |
「課題1.ソフトウェア開発における市場研究」では,脆弱性情報市場の貢献者の履歴とサーベイから,特定のプロジェクトに集中する貢献者と特定のプロジェクトに限定せず活動する貢献者という2タイプいることを明らかにし,国際会議ESEM2017で発表した.同じく脆弱性情報市場における収益最大化問題について,昨年の成果を発展させたものを国際会議PRIMA2017で発表した. 「課題2.ソフトウェアエコノミクス研究」の実証分析フレームワークとして,計量経済学の統計的因果推論のアプローチを採用し,オープンソースソフトウェア開発における寄付についての分析を進めた.特に,差分の差分法,傾向スコアマッチング,分位点回帰は,ソフトウェア開発データにおいて有用と考えている.寄付者に与えられるバッジを分析し,バッジ保持者へのシグナリング効果があることを統計的に確認した.研究成果は国際論文誌に投稿中である. 「課題3.実験フィールド開発と提案メカニズムの展開と運用」では,(1)開発実験フィールドCodosseum(旧Kataribeからの発展)と(2)社会実装実験フィールドのいずれも開発を進めている.前者(1)は基礎的な機能が実装できた.後者(2)は技術的検討の結果全体像の設計が完了し,必要となるコントラクトやインタフェースの開発を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた成果,発表論文について,おおむね本年度の計画通り執り行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
実証分析においては,オープンソースソフトウェアプロジェクトの持続性を金銭的側面および人的資本の観点から研究する.実験フィールドは,スケーラビリティとユーザビリティの観点で実用的な開発を進め,また実証実験に取り組む.
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