2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study of multi-band solar cells using dilute nitride semiconductors
Project/Area Number |
16H05895
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
八木 修平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (30421415)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 中間バンド型太陽電池 / 希釈窒化物半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに中間バンド材料であるGaAs:Nδドープ超格子の作製と基礎物性制御・評価に加え、これを光吸収層とした太陽電池セルの試作、および発電動作の確認を行ってきた。2018年度からはクライオスタットと分光照射・電気測定系を組み合わせて構築した新しい測定システムが稼動し、極低温から室温までの広い温度範囲において複数波長照射下での発電特性を系統的に評価できるようになった。これにより、中間バンド型太陽電池の発電動作に重要な二段階の光吸収による生成電流のスペクトル応答について、温度依存性の評価を進めた。今年度は、特に光吸収層とコンタクト層との間に配置するキャリアブロック層の効果について検討を行った。組成の異なるAlGaAsをキャリアブロック層とした複数の中間バンドセルを評価することで、二段階光吸収の減少につながる中間バンドからのキャリアの熱脱出を抑制する上で適切な障壁高さについて設計指針を得た。2018年度の後半は、研究代表者が育児休暇を取得したことにより、研究課題の実施を一時中断するとともに研究期間を2019年度まで延長することとした。2019年度は、引き続きこれらのセル特性評価を再開するとともに、デバイスシミュレータによる動作解析を併用して、中間バンド型太陽電池動作におけるキャリアダイナミクスの理解を深める。得られた知見を太陽電池セルの構造設計にフィードバックしていくとともに作製プロセスの最適化を進め、最終目標の達成に向けた中間バンド型セルの高効率化を図る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度途中より研究代表者が育児休暇を取得したため、研究の実施を一時中断するとともに研究期間を2019年度まで延長することとした。研究中断前の状況ではセル作製と初期的な特性評価までをおおむね順調に進めており、2019年度は引き続き当初計画の方針に則り研究を実施する。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに試作したセル特性の評価を再開するとともに、デバイスシミュレータによる動作解析を併用して中間バンド型太陽電池動作におけるキャリアダイナミクスの理解を深める。複数波長照射下における発電動作を様々な温度で評価することにより、セル構造と二段階光吸収による電流生成率を関連付ける物理的要因を明らかにする。得られた知見を太陽電池セルの構造設計にフィードバックすることで最終目標の達成に向けた中間バンド型セルの高効率化を図る。
|