2018 Fiscal Year Annual Research Report
運動持久性における視床下部グリコーゲンの役割:新規持久性向上策の提案
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16H05920
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 持久性能力 / 視床下部 / グリコーゲン / 乳酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
私は、若手研究(A)の4年間で、特に持久性に重要な糖代謝制御中枢・視床下部腹内側核(VMH)におけるグリコーゲンの役割を解明し、アスリートへの実装を念頭にした視床下部のグリコーゲンローディングを提案することを目的とした。 まず、グリコーゲン分解阻害薬の投与により、脳グリコーゲンが神経のエネルギーとなる乳酸の産生・供給を通して持久性に役立ち、その代謝破綻が機能低下(中枢疲労)の原因となることを明らかにした(Matsuiら、PNAS、2017)。このとき、運動時の全身糖質代謝が過剰に高まったことから、糖代謝中枢・視床下部腹内側核(VMH)の関与を想定し、VMHのグリコーゲン由来乳酸を薬理的に阻害したところ、運動時の呼吸交換比が増加した。この現象はGABAA受容体拮抗薬でも同様に生じたことから、VMHのグリコーゲン由来乳酸がGABAの源となることで全身の糖質利用を抑制(脂質利用を亢進)し、持久性を担うことを見出した(投稿準備中)。 さらに、運動と高糖質食の混合処方「グリコーゲンローディング」は、筋だけでなく脳(視床下部と海馬)のグリコーゲンを高め、持久性向上に寄与することをラットモデルで確認した(SoyaとMatsuiら、Sci Rep、2018)。さらに、この効果を血中バイオマーカーをメタボロミクスを使って検討したところ、脳内ノルアドレナリンの前駆体となるアミノ酸・チロシンを同定した(Matsuiら、Front Neurosci、2019)。 上記の成果から、当初計画した目的を全て達成することができた。新たに生まれた関連の課題を一刻も早く直接的に検討するため、研究計画最終年度前年度応募として基盤研究(B)に挑戦させて頂き、H31年度の新規課題として採択して頂いたことから、若手研究(A)は当初の計画よりも早い3年間で終了することとなった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)