2017 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期の身体機能レベル別の骨格筋機能特性の解明と対応する介入プログラムの開発
Project/Area Number |
16H05921
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 実 筑波大学, 人間系, 准教授 (30525572)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | サルコペニア / ダイナペニア / 骨格筋 / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
元来、サルコペニアは骨格筋量低下を示す用語として提唱されたが、近年では骨格筋量減少および筋力低下の両者を兼ね備える場合にサルコペニアと定義されることが一般的となった。このような背景により、サルコペニアの予備群(プレサルコペニア)の定義としては、骨格筋量減少は認めるが筋力の低下は認めない者とされることが一般的である。一方、骨格筋量については注視せず、あくまで筋力低下がある場合にダイナペニアと定義する場合がある。我々は、サルコペニアとダイナペニアを明確に区別するために、筋力低下は認めるが骨格筋量低下を認めない場合を操作的にダイナペニアと定義して、研究を進めている。 H28年度は、サルコペニア、ダイナペニア、プレサルコペニア、ノーマルの4群で、骨格筋量、骨格筋の質、筋力などで差があるのかを検証し、サルコペニア、ダイナペニアではいずれも骨格筋の質の低下、筋力低下が認められることが示された。プレサルコペニアでは骨格筋の質、筋力ともにノーマルと同等レベルであった。 H29年度は上記4群の血漿アミノ酸濃度の比較を実施した。約250名の高齢女性を対象に分析を行い、必須アミノ酸濃度の低下に伴いサルコペニアおよびダイナペニアの割合が増加することが示された。また、サルコペニアおよびダイナペニアではいずれもロイシン濃度がノーマルと比して低下していた。プレサルコペニアはノーマルと同等の濃度であった。これらのことから、サルコペニアのみならずダイナペニアも主要な介入対象とすべきであることが示唆された。 これらの内容については順次、学会発表、論文発表を行うとともに、本研究で得た知見は総説論文等でも広く示していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28-29年度に実施予定であったものは順調に実施できており、これらの内容を踏まえ、H30年度はサルコペニアおよびダイナペニア者に対する介入プログラムの効果検証を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
介入プログラムの効果検証についての準備は順調に行えている。今後、3ヶ月間の介入効果を無作為化比較対照試験によって検証する。
|