2016 Fiscal Year Annual Research Report
中高生の同輩集団内に形成される力関係のメカニズムの解明
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16H05923
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 翔 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (40756855)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | いじめ / 同輩集団 / 生徒文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査については、X県内の学校で学級集団の人間関係について観察を行ったほか、高校生時の人間関係と生徒文化に関するインタビュー調査を大学生を対象にして行った。またそのインタビュー調査の分析結果を補完するため、同様の地域の高校を卒業した18歳以上69歳以下の調査対象者に対し、ウェブ調査を行った。さらに、東京大学社会科学研究所のデータアーカイブからデータ提供を受けて、既存のデータの二次分析を行った。また、それとこれらの調査の設計・分析と平行して、教育社会学や社会心理学が同輩集団の人間関係をどのような視点から分析してきたかについて、主要な文献の整理を行った。 同輩集団内の関係性に関する調査については、今年度実施予定であり、プライバシーの配慮や倫理的な問題を克服した調査を遂行するため、現在実施の方法を検討中である。大学生に対するインタビュー調査ウェブ調査、そして二次分析については現在論文を執筆中である。文献の整理については、いじめや現代的な同輩集団内の人間関係を諸問題をまとめ、教職を目指す大学生向けのテキストとして2冊(計4章)を分担執筆した。(歌川光一・野内友規編著『教職をめざす大学生のための青少年文化概論』(三恵社)の「第3章 学習指導要領の変遷(歌川光一, 嶋口裕基と共著)」「第6章 バブル崩壊以降の教育課程と青少年文化:学習指導要領1989年改訂から現在まで」「第8章 教育相談にまつわる諸問題(野内友規と共著)」および林尚示・伊藤秀樹編著『生徒指導・進路指導:理論と方法』「第6章 いじめ」を担当した。 そのほかいじめに関する分析結果について、3回国内学会で口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理的な問題から、同輩集団の関係性に踏み込んだインタビュー調査およびフィールドワークの実施が困難となったため、別の方法で調査を実施せざるを得なくなった。ただし、当初予定していた生徒を対象とした調査だけでなく、教員が生徒の関係性をどうとらえているかに着目した調査の計画を立てているため、当初の予定よりも多角的な視点から分析を行うことが可能になったとも考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの調査の分析を論文にまとめ投稿する。中学生または高校生を対象にした質問紙調査を実施する。またそれに加えて、教員の生徒間関係の認識に関する調査を実施する。
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