2018 Fiscal Year Annual Research Report
New Horizons of Islamic Economic Practices beyond Capitalist Financialization
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16H05931
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (20611198)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 現代イスラーム経済論 / イスラーム金融 / 伝統制度の再活性化 / 金融資本主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度まで行ってきたボトムアップ型の新しいイスラーム経済実践についてのフィールドワークにもとづいて、比較研究国際ワークショップを開催した。具体的には、2018年6月に京都大学、および同年7月に英国ダラム大学において2回ワークショップを開催し、新しいイスラーム経済実践の実態、課題、可能性について海外の研究協力者と議論を行った。そこでの事例報告とディスカッションを通じて、近年のボトムアップ型のイスラーム経済実践は、単なる草の根的なローカルな取り組みにとどまらず、サイバー空間を活用したクラウドファンディングに代表される最新の金融技術(フィンテック)を積極的に活用していることに注目が集まり、地理的制約を超えたグローバルな実践に結実していることが明らかになった。これらのワークショップの成果にもとづいて、申請者と研究協力者による英語論文特集を『イスラーム世界研究』に掲載した。この2回のワークショップに加えて、国際会議での研究報告を2回行った。 また、前年度に続いて本研究に関わる英語、アラビア語文献の収集を精力的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、比較研究国際ワークショップを1回開催することになっていたが、それを上回る2回のワークショップを開催することができ、様々な関心を持つ研究者たちとの新しい研究ネットワークを構築するとともに、新しい知見を獲得することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年としてこれまでの研究成果と国際研究ネットワークを活用してより規模の大きい総括ワークショップを開催することを検討している。また、その成果出版についても日本語・英語の二言語で出版することを予定している。
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