2019 Fiscal Year Annual Research Report
19-20世紀のフランス哲学の動向に対する古代哲学研究の影響に関する研究
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16H05934
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
近藤 和敬 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (90608572)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドゥルーズ / シモンドン / 古代哲学 / 内在平面 / 相対的脱領土化 / 『哲学とは何か』 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画にしたがい、最終年度ということもあって、これまでの研究の成果をふまえたうえで、20世紀後半のフランス哲学者であるジル・ドゥルーズの哲学における20世紀フランスの古代哲学研究の影響という論点について、掘り下げていった。それにあたって、まずこれまでの代表者の研究成果を著書としてまとめなおすなかで、それぞればらばらだった論点を一貫した観点のもとで整理しなおし、それを『〈内在の哲学〉へ――ドゥルーズ、カヴァイエス、スピノザ』(青土社、2019年)という形で出版した。そのなかでは、とくに後期プラトンについてのフランスでの研究史がドゥルーズ哲学の根幹部分に影響を与えていることを明らかにし、またドゥルーズにも大きな影響を与えたジルベール・シモンドンの哲学にたいしても同様にフランスの古代哲学研究の影響がみられることを明らかにした。 また本年度の後半は、この成果を踏まえたうえで、ドゥルーズとガタリの最後の共著である『哲学とは何か』における古代哲学研究の影響を明らかにすることを試みた。そこではとくに「内在平面」と「相対的脱領土化」の概念とのかかわりにおいて、古代ギリシア社会および古代哲学が重視されており、その内実を解明することを試みた。以上の研究の成果は、『『哲学とは何か』読解――ドゥルーズとガタリの〈内在〉の哲学』(講談社、2020年予定)として出版する予定である。 またドゥルーズにも多大な影響を与えたアルベール・ロトマンの数理哲学における20世紀前半のフランスでの古代哲学研究の影響については、アルベール・ロトマン『数里哲学論集』(月曜社、2020年予定)に所収の訳者解説(3)において提示した。 また、フランスの古代哲学研究において重要な役割を担ったポール・タンヌリについての研究の一部は、『フランス現代哲学思想辞典』の「タンヌリ」の項目でその一部を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)