2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Impact of Exits from Foreign Markets on Entry Strategies
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16H05953
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山野井 順一 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20386543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海外進出 / 海外撤退 / 参入形態 / 立地選択 / 多国籍企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度の日本の上場企業の参入、撤退の予備的分析の結果を受け、世界各国の上場企業10万社の参入、撤退のデータベースの作成に努めた。日本の上場企業の参入、撤退の分析結果から、過去の撤退経験がその後の参入国の選択や参入形態に影響を与えていることが示唆されたが、日本を本拠とする企業のみを対象としたため、本国と撤退国、参入国との関係性についての影響を考慮することができなかった。その問題点を受け、日本のみならず他国の上場企業を対象とし、2008年から2017年までの参入と撤退のデータベースの作成を試みた。しかしながら、上記の過程において、データ量が膨大であり、そのダウンロードならびに加工について想定以上に時間を要し、データベースの完成ならびに分析は次年度に持ち越しとなった。 また、日本企業の予備的な分析ならびに定性的な資料の分析において、それぞれの企業が属する産業・業種によって、必ずしも参入国からの撤退が「失敗」と解釈されない場合があることが見出された。例えば、製造業においては、生産拠点の変更は必ずしも当該国での失敗を意味せず、より効率的な生産を可能とする国への積極的な移動であることケースがある。一方、小売業、サービス業では、参入国からの撤退は、多くの場合、当該市場で自社の提供するサービスが受け入れられず、採算が取れないための撤退であるケースが非常に多く、その場合は「失敗」と解釈が可能であることが示唆された。よって、次年度の分析において、産業・業種を考慮に入れ、撤退と参入の関係を分析する必要があることが見出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各国の上場企業の海外子会社を特定し、国からの参入、退出のデータを作成するのに多大な時間を要し、データベースの構築まで完成できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度に早急に各国の上場企業の進出国のデータベースを完成させ、撤退のケースを特定し、その後の参入への影響の分析を行う。
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