2017 Fiscal Year Annual Research Report
Computational modeling of embodiment and maintenance of bodily self consciousness
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16H05958
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金山 範明 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 特任助教 (90719543)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 身体認識 / 自己 / 脳波 / fMRI / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は複数の研究発表を行った。第一に、fMRIを用いた脳構造の個人差に関する研究を出版した(Kanayama et al., 2017)。この研究では、Gallagher (2000)によって提唱されているミニマルセルフ(自己主体感、身体所有感)およびナラティブセルフ(物語的自己)という自己の側面に関して、脳部位の容積を測定しその関連性を調べた。近年の認知神経科学領域においても心理学領域においても問題視されている結果の汎化性を考慮し、別々の場所で測定した脳構造画像を約50名ずつ合わせて一つのデータセットとした。この中で様々な脳部位に関連性が示されたが、十分に統計的基準をクリアしたのは身体所有感のスコアと相関した島皮質のみであった。さらに汎化可能性の検証として、比較対象にHuman Connectome Projectのオープンデータを用い、ダミーデータにおける脳容積と質問紙得点の関連性を検討する試みも行った。またラバーハンド錯覚にかかわる脳波成分と神経栄養因子の関連性を示した論文(Hiramoto et al., 2017)、他者の身体運動への注目が自他弁別能に与える影響を調べた論文(Kashihara et al., 2017)などが出版され、これまでの基礎的な身体認知にかかわる研究成果を発信してきた。また本年度は、モーションキャプチャ、乾式簡易脳波測定装置、湿式脳波測定装置を購入し実験のセッティングを行った。モーションキャプチャにより手指の運動を計測すること、乾式および湿式の脳波計を用いた脳波測定の予備実験を行い、最終年度に行う運動中の脳波測定に関する実験環境を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はモーションキャプチャ、乾式簡易脳波測定装置、湿式脳波測定装置を購入し実験のセッティングを行うことができた。モーションキャプチャにより手指の運動を計測すること、乾式および湿式の脳波計を用いた脳波測定の予備実験を行い、実験環境を整えることができた。翌年度からの最後の本実験に向けて十分な準備が整ったと考えられるが、取得データの詳細な解析を行う必要がある。上記のように完全ではないながら本実験の準備が進んできたことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度は、昨年度培った実験上のノウハウを用いて本実験を行っていく。 4月1日付けで異動になったため、実験室構築は改めてやり直す必要があり、これに関して多少進捗に不利な影響があると考えられるが、年度前半に実験を完了させ、後半に解析、発表を行えるように速やかに各課題をこなしていく必要がある。 また来年度以降の研究につなげるために、新しい研究開発課題を設定するための予備実験を並行して行っていく。得られた身体獲得と維持に関する脳反応の知見を、より応用的に発展させることで、実社会上のベネフィットが期待される研究テーマを設定する。
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