2017 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of Pt nanocluster catalysts on strained multiple twin particles
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16H05966
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 健太 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10581118)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クラスター / 触媒 / 電子顕微鏡 / アトムプローブ / ナノ構造 / 燃料電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
白金(Pt)を1nm以下のサブナノクラスター(Sub-Nano Cluster: SNC)に超微細化し、触媒材料として実用化するためには、反応中SNCの粒成長を抑制するための新しいナノ構造設計が必要不可欠である 本研究では、Au-MTPのサブナノ・ポケットにPt-SNCを正確に入れる試料作製法およびAu(原子番号 79)とPt(78)を区別して三次元サブナノ構造を定量評価するための「三次元位置・組成ゆらぎ解析法」を確立する。そして、微細化の限界を打破し白金使用量の2桁削減を達成することを目的とする。
H29年度は、これまでに確立した「三次元位置・組成ゆらぎ解析」によって、白金のみならず、ニッケル、シリコン、マンガン系のナノクラスターにも応用し、クラスターが形成している位置は、ひずみが小さい部分に優先的に形成していることを世界で初めて明らかにした。これは、格子ひずみ(位置ゆらぎ)が原子の析出によって緩和されることを示しており、ひずみ場におけるクラスターの形成原理の深い理解に寄与するものと期待される。 また、イオン液体黒化のための熱処理温度・雰囲気を透過電子顕微鏡内その場過熱法により最適化することに成功した。日英の研究者と共同で、真空から水素・酸素・窒素・一酸化炭素などガス環境を探索し、白金クラスターの表面拡散の原因となる炭化水素基の形成反応と炭素原子の酸化反応を同時に抑制可能な熱処理条件を見出した。この条件は、現在、特許出願を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り酸化チタン安定に測定にできる100000個前後のイオン数(表面から10nm程度に対応)に着目して、組成ゆらぎの計測を推進した。三次元位置・組成ゆらぎ解析法を確立して、ニッケル、シリコン、マンガンクラスターが形成している位置は、ひずみが小さい部分に優先的に形成していることを明らかにできた。 表面修飾に用いた非伝導性イオン液体の黒化が課題であったが、真空から水素・酸素・窒素・一酸化炭素などガス環境を探索し、白金クラスターの表面拡散の原因となる炭化水素基の形成反応と炭素原子の酸化反応を同時に抑制可能な熱処理条件を見出すことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は、これまで微視的なスケールで行ってきた合成条件探索をマクロスコピックなスケールに展開する。具体的には、熱処理用真空チャンバーを作製し、数mgのPtクラスター/金MTP/酸化チタン触媒を合成する。そして、一酸化炭素の酸化など触媒反応活性評価を行う。また、H28年度に導入済みのサイクリック・ボルタノメトリー試験装置を用いての燃料電池反応起動耐久試験も計画する。 本年度が最終年度のため、成果公開を積極的に行う。
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Research Products
(14 results)