2016 Fiscal Year Annual Research Report
Crystal growth control of organolead halide perovskite for high efficiency solar cells
Project/Area Number |
16H05978
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮寺 哲彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 研究員 (30443039)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 有機鉛ペロブスカイト / 太陽電池 / 結晶成長 / エピタキシー / レーザー蒸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
低コストかつ高効率な太陽電池として実用化が期待されているペロブスカイト太陽電池発電層(有機鉛ペロブスカイト)の結晶成長制御を目指した研究を行い、有機鉛ペロブスカイトのエピタキシャル成長を目指した取り組みを行った。 研究開始前に開発してきたレーザー蒸着システムは真空中で制御性良く有機鉛ペロブスカイトを製膜することができることを実証している。平成28年度は当該装置を改造し、真空中に6源の材料を装填し、製膜できる装置を構築した。また、真空を保ったまま材料を交換できる機構としており、実験のスループットを格段に向上することが可能となった。 単結晶基板上に有機鉛ペロブスカイトを製膜し、基板結晶と方位をそろえた結晶成長を実現するエピタキシャル成長に関する試みを行った。TiO2やAl2O3などの単結晶基板上では有機鉛ペロブスカイトはエピタキシャル成長しなかった。一方、有機材料であるルブレン単結晶上では方位をそろえたエピタキシャル成長することが明らかとなった。大型放射光施設SPring-8における斜入射X線回折法により、エピタキシャル成長した薄膜を解析しルブレン単結晶との詳細な方位関係を明らかにした。また、原子間力顕微鏡を用いて表面形態を観察したところ、条件によって形態は様々ではあるが、最適な条件においては有機鉛ペロブスカイトの格子定数に相当するステップ状の構造が観察されており、分子層レベルで成長制御された、非常に平坦な薄膜が得られることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では平成28年度は新規装置の構築と有機鉛ペロブスカイトの結晶成長様式等の基礎的な検討を行い、平成29年度以降にエピタキシャル成長の試みを行う予定であった。平成28年に予備的にエピタキシャル成長に関する試みを行ったところ、ルブレン単結晶上にエピタキシャル成長が実現する事が明らかになり、当初予定より進捗が早いと言える。装置開発に関しては当初の予定通りである。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度にルブレン単結晶上で有機鉛ペロブスカイトがエピタキシャル成長することを実証し、分子層レベルで制御された薄膜を構築することに成功した。一方で詳細な成長様式や条件等に関しては明らかになっていないため、今後の展開としては、製膜温度や製膜レートなどの条件を変えた検討を行い、結晶形成メカニズムを明らかにする。 また、確立した結晶成長手法を実際の太陽電池デバイスの構築に展開し、結晶構造が素子特性に与える影響を評価する。
|
Research Products
(4 results)