2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of time resolved THz-STM
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16H05982
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 昭二 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90447227)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではサブピコ秒時間分解能・原子レベル空間分解能を併せ持つ新しい顕微鏡-時間分解THz-STMの開発を行った。時間分解THz-STMでは、単一サイクルのTHzパルスをSTMのトンネル接合に照射する。探針先端近傍においてSTM探針のアンテナ効果により増強されたTHzパルス電場を用いて瞬間的にトンネル電流を駆動し、これをプローブとして試料の励起状態の時間分解計測を行う。 本研究では高いS/N比での測定を行うために高出力(40W)かつ高繰り返し周波数(50MHz)のフェムト秒レーザーを導入し、高強度・高繰り返しTHzパルスの発生に成功した。次に作成したTHzパルス光源をSTMトンネル接合に照射しTHz誘起トンネル電流の観測することに成功した。さらにTHz誘起電流を用いた原子分解能STM像観察に成功しTHz-STMがSTM同等の原子分解能を有することを実証した。 続いて時間分解測定の基盤として、探針先端におけるTHz近接場波形の計測法を開発した。今回開発した手法を用いることで、これまで計測することが難しかった探針先端の近接場波形を初めて定量的に評価することが可能になった。 完成した測定装置を用いて、様々な試料に対して超高速ダイナミクス計測に展開した。1T-MoTe2表面では赤外パルスにより励起した光キャリアの100psオーダーの再結合緩和の観測に成功し、1T-TaS2表面では光誘起金属-絶縁体転移により10ピコ秒以下の時間スケールで起こる電子状態変化を捉えることに成功した。フラーレン多層膜表面ではフラーレン分子のLUMOに光注入された電子が多層膜面内および面直方向に拡散する様子をサブps時間分解能かつ単分子分解能でイメージングすることに成功した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)