2018 Fiscal Year Annual Research Report
Complex structures and electronic phases in simple-oxide thin films
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16H05983
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉松 公平 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (30711030)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸化物薄膜 / 超伝導 / 金属絶縁体転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はこれまでの研究成果のまとめとしてTi2O3の異方性伝導の補足データを取り、原著論文にまとめることを目的とした。Cu Ka1線を用いた逆格子マッピング測定からTi2O3薄膜のa, c軸長を算出し、Al2O3基板とのエピタキシャル関係を明らかにした。またSPring-8のBL15XUで放射光X線回折測定を行い、室温から転移温度以上まで温度を変えて測定した、転移に伴う格子変形の様子の観測を試みたものの、残念ながら高温での試料の酸化により目的のデータは得られなかった。薄膜特有の異方性伝導の起源を明らかにするためにホール効果測定を行い、キャリア密度は一定で移動度が結晶方位に依存して大きく異なるとの結果を得た。さらにTi2O3薄膜の電子状態を明らかにするため、KEK-PFのBL2で放射光光電子分光測定を行った。表面をArスパッタすることで表面酸化層を取り除き、Ti3+-Ti3+二量体に特有のTi 2p内殻スペクトルを得ることができた。これら室温での逆格子マッピング、光電子スペクトル、ホール効果測定等の結果が原著論文としてAPL Materials誌に掲載された。 また、共同研究としてTi4O7とTi3O5薄膜の高圧下での電子物性変化の観測を行った。Ti4O7薄膜で観測される金属絶縁体転移温度が圧力印加により上昇するバルクとは異なる結果が得られた。薄膜による異方的な圧力印加を反映して結晶のc軸が伸長したためと考察される。この結果はJ. Phys. Soc. Jpn誌に掲載された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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