2016 Fiscal Year Annual Research Report
高性能PET装置の実現に向けた高速型GAGGシンチレータの開発
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16H05986
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鎌田 圭 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (60639649)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シンチレータ / 結晶成長 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
28年度では、最適共添加元素探索と特性改善メカニズムの解明を行うと共に、1インチCZ法による、共添加元素およびCeを含めた最適仕込み組成を決定した。 始めに、Mg,Caに加え、2価のアルカリ土類金属(Sr,Ba)、1価のアルカリ金属(Li,K,Na)の共添加と、比較検討として4価の元素(Zr,Hf等)を共添加した結晶をm-PD法により育成する計画に対し、それぞれ100-3000 mol.ppm添加したCe:Gd3Ga3Al2O12組成での結晶成長を行い、Li,CaにおいてMgと同等の蛍光寿命短寿命化現象を確認した。さらに組成をCe:Gd3Ga3Al2O12結晶に絞った上で、Mg共添加およびポストアニーリングがシンチレーション特性に及ぼす影響を調査し、Mg共添加効果の解明につながる情報を得た。 さらに1インチサイズでのLi、Mg共添加Ce:Gd3Ga3Al2O12組成に関し各共添加仕込み濃度における結晶作製を行い、シンチレータ特性と各種元素の共添加量との相関関係を検討した。Mg添加により時間分解能は共添加無しに対し、1/2-1/3に高速化され、Mg2000ppmの組成で165psの時間分解能を示した。一方、発光量はMg添加量の増加とともに減少し、Mg2000ppmの組成で共添加無しの71.2%に低下した。その結果、Mg2000ppmの組成において、発光量40,000photon/MeV以上を満足しつつ、蛍光寿命19.2ns、時間分解能166psを達成することを確認した。Li共添加では、蛍光寿命の短寿命化が確認され、同時に発光量も低下するものの低下量はMgに比べ小さい。発光量、蛍光寿命の観点から、Li共添加の方が有効である可能性もあるため、今後時間分解能測定を進めることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画としては、28年度に最適共添加元素探索と特性改善メカニズムの解明を行うと共に、1インチCZ法による、共添加元素およびCeを含めた最適仕込み組成を決定する計画であった。 1.μ-PD法による最適添加元素探索と特性改善メカニズムの解明(~29年3月) Mg,Caに加え、2価のアルカリ土類金属(Sr,Ba)、1価のアルカリ金属(Li,K,Na)の共添加と、比較検討として4価の元素(Zr,Hf等)を共添加した結晶をm-PD法により育成する計画に対し、それぞれ100-3000 mol.ppm添加したCe:Gd3Ga3Al2O12組成での結晶成長を行い、Li,CaにおいてMgと同等の蛍光寿命短寿命化現象を確認した。さらに組成をCe:Gd3Ga3Al2O12結晶に絞った上で、Mg共添加およびポストアニーリングがシンチレーション特性に及ぼす影響を調査し、Mg共添加効果の解明につながる情報を得た。 2.1インチCz法作製Ce:GAGGにおいて短寿命化、発光強度増加に最適な仕込み組成の決定(~29年6月) 1インチサイズでのLi、Mg共添加Ce:Gd3Ga3Al2O12組成に関し各共添加仕込み濃度における結晶作製を行い、シンチレータ特性と各種元素の共添加量との相関関係を検討した。Mg,Liについてそれぞれ,500~5000ppm添加した単結晶をCz法により作成し、共添加量と発光量、蛍光寿命、時間分解能を評価した。Mg2000ppmの組成において、発光量40,000photon/MeV以上を満足しつつ、蛍光寿命19.2ns、時間分解能166psを達成することを確認した。Li共添加では、蛍光寿命の短寿命化が確認され、同時に発光量も低下するものの低下量はMgに比べ小さい。発光量、蛍光寿命の観点から、Li共添加の方が有効である可能性もあり、今後時間分解能測定を進める。研究は計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の達成目標は、蛍光寿命や時間分解能を劣化させることなく、より高発光量な46,000photon/MeVを達成することである。 これには、Mg濃度を2000ppmの組成付近で最適化しつつ、2-3インチサイズでの高品質結晶を作製することで発光量の目標値達成を狙う。また、Li共添加も来年度の目標達成において有効な可能性があるため、Ce濃度、Li共添加濃度の最適化を進める。現在までに、従来型Ce:GAGGの2インチサイズでの大型単結晶作製技術は確立しているが、従来型とCe濃度が異なりかつ共添加元素が加わることで、結晶中の特性均一性を保てる限界の結晶化率が従来型と異なる可能性がある。特に、発光中心元素のCeおよび共添加元素の変動は、結晶中の特性の不均一化と不純物の析出をもたらすことから、結晶の歩留まりと製造コストに直結する問題であるため、仕込み組成・回転数・引き上げ速度・結晶化率といった結晶作製時のパラメータを最適化する。温度勾配、回転数、引き上げ速度の最適によりメルトの対流を制御し、固液界面の形状を平坦化することやショルダー角の最適化により、結晶内の歪みを緩和することが効果的であることが分かっており、これまでの経験や知見を基に作製条件の最適化を迅速に達成する。結晶作製と特性評価とのフィードバックを迅速に行い、結晶中の利用可能量域を向上する。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] 2 inch size Czochralski growth and scintillation properties of Li+ co-doped Ce:Gd3Ga3Al2O122017
Author(s)
Kei Kamada, Yasuhiro Shoji, Vladimir V. Kochurikhin, Masao Yoshino, Satoshi Okumura, Seiichi Yamamoto, Jung Yeol Yeom, Shunsuke Kurosawa, Yuui Yokota, Yuji Ohashi, Martin Nikl, Masao Yoshino, Akira Yoshikawa
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Journal Title
Optical Materials
Volume: 65
Pages: 52-55
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Single crystal growth of Ce: Gd3(Ga,Al)5O12 with various Mg concentration and their scintillation properties2017
Author(s)
Kei Kamada, Yasuhiro Shoji, Vladimir V. Kochurikhin, Aya Nagura, Satoshi Okumura, Seiichi. Yamamoto, Jung Yeol Yeom, Shunsuke Kurosawa, Jan Pejchal, Yuui Yokota, Yuji Ohashi, Martin Nikl, Masao Yoshino, Akira Yoshikawa
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Journal Title
Journal of Crystal Growth
Volume: -
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Growth and scintillation properties of 3 inch diameter Ce doped Gd3Ga3Al2O12 scintillation single crystal2016
Author(s)
Kei Kamada, Yasuhiro Shoji, Vladimir V. Kochurikhin, Satoshi Okumura, Seiichi. Yamamoto, Aya Nagura, Jung Yeol Yeom, Shunsuke Kurosawa, Yuui Yokota, Yuji Ohashi, Martin Nikl, Akira Yoshikawa
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Journal Title
Journal of crystal growth
Volume: 452
Pages: 162-165
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Luminescence quenching and scintillation response in the Ce3+ doped GdxY3-xAl5O12 (x = 0.75, 1, 1.25, 1.5, 1.75, 2) single crystals2016
Author(s)
K. Bartosiewicz, V. Babin, K. Kamada, A. Yoshikawa, J.A. Mares, A. Beitlerova, M. Nikl
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Journal Title
Optical Materials
Volume: 63
Pages: 134-142
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Mg Co-Doping Effects on Multi Component Garnet of Ce:(Lu,Gd,Y)3(Ga,Al)5O12 Single Crystal Scintillators2016
Author(s)
K. Kamada, H. Chiba, Y. Shoji, S. Kurosawa, Y. Yokota, Y. Ohashi, A. Yoshikawa
Organizer
2016 the IEEE Nuclear Science Symposium / the IEEE Medical Imaging Conference
Place of Presentation
Strasbourg, France
Year and Date
2016-10-29 – 2016-11-05
Int'l Joint Research
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