2018 Fiscal Year Annual Research Report
冬季雷雲の放射線マッピング観測で解明する雷雲電場による粒子加速と高エネルギー現象
Project/Area Number |
16H06006
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
榎戸 輝揚 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (20748123)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 光核反応 / 雷放電 / TGF / 雷雲 / 高エネルギー大気物理学 / 中性子 / 陽電子 / ガンマ線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年見つかるようになってきた雷放電や雷雲での高エネルギー大気物理現象の解明を目指し、金沢を中心にした日本海沿岸に放射線モニタリングの観測ネットワークを新たに構築して、冬季雷雲をターゲットにした地上観測を実施している。これまでに安価に高精度な環境放射線モニタができる小型の検出器を開発し、金沢市や小松市の高校の屋上や民間企業おん庭先などをお借りした観測を開始した。2017年には、雷放電で発生するガンマ線により大気中の窒素原子核が光核反応を起こすことを世界に先駆けて発見し(Enoto et al., Nature 2017)、雷放電において原子核物理に深く関連する新しい分野を切り開きつつある。それを元にして、2018年度はさらなる多地点の観測網の拡充を行った。能登半島の先端、珠洲市で行った観測では、雷雲内の電場で電子が加速されることで発生するガンマ線を地上観測した。さらに、このガンマ線が近くを通過した雷放電と同時に消失することを検出し、電子の加速領域が放電によって破壊されたことを報告した(Wada et al.,GRL 2018)。この成果は京都大学を中心にプレスリリースを行なっている。このほかに2本の論文を投稿中である。これまでの3年間の研究成果をもとに、さらに電波による雷観測や地上での電場計測などを含む多波長観測に展開することを目指して 2019年度からの科学研究費補助金・基盤研究(A)「ガンマ線と電波の同時マッピング観測で挑む雷が起こす光核反応の物理」に発展させた。特に、電波や大気電場などの多波長観測を拡充することに加え、市民と連携した観測体制とデータ解析を狙うオープンサイエンスの潮流を取り込むなどの試みを行なっている。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(22 results)
-
-
-
[Journal Article] Multi-point Measurement Campaigns of Gamma Rays from Thunderclouds and Lightning in Japan2018
Author(s)
Teruaki Enoto, Yuuki Wada, Yoshihiro Furuta, Kazuhiro Nakazawa, Takayuki Yuasa, Kazufumi Okuda, Kazuo Makishima, Mitsuteru Sato, Yousuke Sato, Toshio Nakano, Daigo Umemoto, Harufumi Tsuchiya, Masashi Kamogawa, Gregory Bowers, David Smith, Takeshi Morimoto, Yoshitaka Nakamura, and Daohong Wang
-
Journal Title
XVI International Conference on Atmospheric Electricity Proceeding
Volume: 0
Pages: 0~0
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-