2017 Fiscal Year Annual Research Report
北極域混相雲の頻発領域におけるエアロゾルの氷晶核能の詳細解明
Project/Area Number |
16H06020
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
當房 豊 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (60572766)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気象学 / エアロゾル-雲相互作用 / 氷晶核 |
Outline of Annual Research Achievements |
氷晶核(氷形成能力を有するエアロゾル粒子)の存在は、極微量であっても、地球の気候や生態系に多大な影響を及ぼす。北極圏の下層大気(数百メートル~数キロメートルの高度)では、年間を通して混相雲(過冷却の雲滴と氷晶とが混在する雲)が頻繁に発生している。混相雲内での氷形成過程には、氷晶核として機能するエアロゾル粒子の存在が必須である。しかしながら、北極圏の大気中における氷晶核の数濃度については、その計測が技術的に非常に困難であることから、実測データがほとんど報告されてきてない。また、氷晶核の供給源についても、未だによくわかっていない。 本研究では、申請者が新たに確立した「超低濃度状態でも氷晶核の計測が可能な実験系」であるCRAFT(Tobo, 2016 Sci. Rep.)を用いて、北極圏の中でも特に混相雲の発生頻度が高い地域だといわれているスバールバル諸島に位置するニーオルスンにおいて、エアロゾル粒子の氷晶核としての役割に着目した調査研究を展開している。二年目にあたる今年度は、初年度の夏(2016年7月)と冬~初春(2017年3月)にニーオルスンにて採取したエアロゾル試料の分析を進めることにより、氷晶核の数濃度や供給源の季節による違いについての検証に取り組んできた。また、氷晶核の数濃度の季節変動についての詳細を解明することを目的とし、自動エアロゾルサンプラーによるエアロゾル試料の通年サンプリングを2018年3月より開始した。さらに、氷晶核の数濃度-粒径分布についても検証するために、2018年3月の集中観測期間中には、多段式インパクターを用いたエアロゾル粒子の粒径別のサンプリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の夏(2016年7月)と冬~初春(2017年3月)のスバールバル諸島・ニーオルスンでの集中観測時に採取した試料については、現時点で分析をほぼ完了している。その成果については、既に国内外の数々の学会等で発表してきており、現在、投稿論文にまとめているところである。また、当初の予定にはなかったニーオルスンでの氷晶核の通年観測も今年度(2018年3月)から開始したため、氷晶核の数濃度や供給源などの季節による違いの詳細についても、これから明らかになるものと見込んでいる。さらに、氷晶核の数濃度-粒径分布の解明に向けた観測についても、今年度から取り組み始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年3月からスバールバル諸島・ニーオルスンでのエアロゾル試料の通年サンプリングを開始したが、そこで得られるエアロゾル試料の分析を進めることにより、この地点における氷晶核の数濃度の季節変動に関する詳細を明らかにしていく予定である。また、氷晶核の数濃度-粒径分布の季節による違いについても調べるため、冬~初春(2018年3月)の集中観測時に実施した多段式インパクターによるエアロゾル粒子の粒径別のサンプリングに関して、夏(2018年7~8月頃を予定)にも実施することを計画している。
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[Journal Article] Characteristics of droplet size distributions in low-level stratiform clouds observed from Tokyo Skytree2018
Author(s)
Misumi, R., Uji, Y., Tobo, Y., Miura, K., Uetake, J., Iwamoto, Y., Maesaka, T., Iwanami, K.
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Journal Title
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II
Volume: 96
Pages: 405~413
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Seasonal differences in the characteristics of ice nucleating particles on Mt. Zeppelin in Ny-Ålesund, Svalbard: A case study in 2016/20172018
Author(s)
Tobo, Y., Adachi, K., Nagatsuka, N., DeMott, P. J., Hill, T. C. J., Ohata, S., Kondo, Y. & Koike, M.
Organizer
5th International Symposium on Arctic Research (ISAR-5)
Int'l Joint Research
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[Presentation] Enhanced concentrations of ice nucleating particles in Svalbard during summer: Possible linkage with local dust emissions2017
Author(s)
Tobo, Y., Adachi, K., Nagatsuka, N., DeMott, P. J., Hill, T. C. J., Ohata, S., Kondo, Y. & Koike, M.
Organizer
AGU Fall Meeting 2017
Int'l Joint Research
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