2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of stimuli-responsive porous DNA crystals
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16H06036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 弘志 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (20598586)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生体高分子 / らせん / 結晶 / 多孔性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA二重らせんを構造形成モチーフとする結晶性多孔体の合理的合成法を確立し、DNA特有の刺激応答性を活かした動的機能の開拓を行うことを当初の目的としていたが、昨年度途中方針を変更し、ペプチドが生み出す動的らせん構造を利用した「結晶性」多孔体の構築を目指すこととした。非天然アミノ酸の一種である2-Aminoisobutyric Acid(Aib)は、 炭素上に二つのメチル基を持ち、 炭素上のかさ高さに起因した配座自由度の制限によりAibを多く含む短鎖ペプチドはヘリックスを形成しやすいことが知られている。また、Aibは不斉中心を持たないため、そのホモオリゴマーは左巻きおよび右巻きらせんの等量混合物を与え、溶液中ではそれららせん構造が反転を繰り返すという興味深い性質が知られている。この動的らせん構造を活かした様々な機能分子が報告されてきたものの、それら動的機能発現は溶液中での話に限られてきた。固体中で規則正しく整列、近接させたAibオリゴマーは動的かつ協同的な挙動を示すか?という興味から研究をスタートした。具体的には、溶液中で安定ならせん構造をとる最短のAib六量体を組み込んだMetal-organic framework(MOF)を合成し、その結晶化様式や結晶状態での動的挙動を明らかにすることを目的とする。Aib六量体を得るため、N末端およびC末端をそれぞれベンジルオキシカルボニル基(Z基)およびメチル基で保護したAib二量体Z-(Aib)2-OMeからスタートし、ペプチド伸長反応を行った。ペプチド結合形成には、Aibのように立体的に込みあった , -ジアルキルアミノ酸でよく用いられるオキサゾロン法を適用し、各末端保護基の脱保護、カルボキシル基からオキサゾロンへの変換、オキサゾロンとアミノ基とのカップリング反応を繰り返すことによりZ-(Aib)6-OMeを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たな物質設計・物性開拓の報告性を見据え、研究の方針転換を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
酢酸エチル溶液から再結晶させることで得たZ-(Aib)6-OMeは、結晶中でヘリックス構造を取っていることを単結晶X線構造解析から予備的に明らかにした。現在、Aib六量体の両末端にピリジル基を導入し、目的とする配位子Py-(Aib)6-Pyの合成を行っている。各末端保護基の脱保護と、アミノ基またはカルボキシル基を有するピリジン誘導体との縮合反応を行うことにより配位子合成を完了する予定である。さらに配位子合成後、亜鉛イオン、テレフタレートおよび配位子Py-(Aib)6-PyからのMOF合成に挑戦する予定である。
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