2017 Fiscal Year Annual Research Report
共役ポリマーの固相炭素化によるキラル炭素材料の開発
Project/Area Number |
16H06051
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
松下 哲士 国立研究開発法人物質・材料研究機構, エネルギー・環境材料研究拠点, NIMS特別研究員 (90589186)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 共役ポリマー / 固相炭素化 / キラリティ / 炭素材料 / 液晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、事前に構造制御された機能性高分子を前駆体とし、その固相炭素化により、高度に形態制御された炭素材料を開発する。具体的にはまず、高次キラル液晶を利用して合成したらせん状共役ポリマーを熱処理することにより、前駆体の形態をそのまま保持したキラル炭素材料を調製する手法を確立する、次に、得られた炭素材料の形態機能の発現を目指す。平成29年度においては以下の研究項目を実施した。 1. 電気化学的に合成したポリエチレンジオキシチオフェン (PEDOT) フィルムおよび化学的に合成したポリアセチレンフィルムを前駆体として、1100度までのさまざまな温度で炭素化することで、ポーラスな構造と導電性を併せもつカーボンフィルムを調製した。走査型電子顕微鏡観察により得られたカーボンフィルムのナノ構造を調べたところ、PEDOT由来のカーボンフィルムはgranule状、ポリアセチレン由来のカーボンフィルムはnanofiber状の構造を形成していることが明らかとなった。次に、窒素吸着法により1000度~1100度で得られたカーボンフィルムの比表面積を評価したところ、比較的高い数値が得られた。さらに、得られた新規炭素材料のスーパーキャパシタ電極への応用を目的として、サイクリックボルタンメトリーおよび定電流充放電法による評価を実施した結果、良好なキャパシタンス値を得た。以上のことから、得られたカーボンフィルムは、カーボンブラックなどの導電性補助剤や結着剤を必要とせず、電気二重層キャパシタにおいて直接バインダーフリー炭素電極フィルムとして使用可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は主に「研究実績の概要」に記載した「共役ポリマーを前駆体とするバインダーフリー炭素電極フィルムの調製とそのスーパーキャパシタ応用」の研究テーマに取り組んだ。この取り組みにより、共役ポリマーの固相炭素化により得られる炭素材料について、スーパーキャパシタのようなエネルギー貯蔵デバイスにおける電極材料としての応用の可能性を実証することができた。なお、当該テーマの研究結果については既に投稿論文としてまとめ、現在国際学術雑誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、平成29年度に引き続き高次キラル液晶重合場の構築および形態制御らせん状共役ポリマーの合成を実施するとともに、キラル炭素材料の開発とその機能発現の達成のため、平成30年度は主に、キラル炭素材料の機能物性の評価についての研究を実施する。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Probing variable range hopping lengths by magneto conductance in carbonized polymer nanofibers2018
Author(s)
K. H. Kim, S. Lara-Avila, H. He, H. Kang, S. J. Hong, M. Park, J. Eklof, K. Moth-Poulsen, S. Matsushita, K. Akagi, S. Kubatkin, Y. W. Park
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 8
Pages: 4948 (1-7)
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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