2019 Fiscal Year Annual Research Report
真実接触面の直接観察による摩擦・磨耗機構の解明および潤滑剤・接着剤の提案
Project/Area Number |
16H06065
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆昭 東京大学, 生産技術研究所, 協力研究員 (80624840)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MEMS / TEM / その場観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自に開発した実験系を用いることで、10nm程度の曲率半径の探針を透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに2つ組み込んだ。透過型電子顕微鏡の内部では、それら2つの探針をリアルタイムで観察できるので、探針の位置をサブnmの精度で調整することで探針同士の先端部分を接触させた。探針を接触させた後に、今度は接触面と水平方向に駆動させた。このとき、接触箇所をnmスケールの分解能で観察し、摺動に伴う摩耗をナノスケールの精度で計測できた。さらに、画像解析の解析コードを新たに作成し、透過型電子顕微鏡の像から摩耗量を計算できるようにした。探針にはカンチレバーが付いており、探針の接触時にかかる垂直抗力が計測可能である。このため本研究では、ナノスケールで摩耗量と垂直抗力と真実接触面をの観測に成功しており、これらの結果から摩耗係数の計測に成功した。 透過型電子顕微鏡の試料ホルダーを新たに開発した。一般的な透過型電子顕微鏡の試料ホルダーは試料としてマイクロマシンを入れられず、外部から電圧を印加する機構がないので透過型電子顕微鏡の内部でマイロマシンを動かせない。そこで本プロジェクトが始まる前に、マイクロマシンを入れられ外部から電圧を印加できる試料ホルダーを開発した。しかし、この試料ホルダーには大きな改善すべき点が2つあった。1つ目は、試料ホルダーが大きすぎて高分解能の透過型電子顕微鏡に入れられず、原子が観察できなかった点。2つ目は、試料を透過型電子顕微鏡の内部で傾斜できないため、試料の結晶方向の向きや、原子レベルの欠陥や、転位などを観察できない問題があった。そこで、より薄い試料ホルダーを新しく開発し、さらに試料を傾斜できる機構を組み込んだ。試料ホルダーの先端の形状、取手の形状、真空シール方式など合計数十点もの改善の結果、ようやく新たに開発した試料ホルダーを最新式の透過型電子顕微鏡に入れることに成功した
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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