2016 Fiscal Year Annual Research Report
力触覚代替と動作代行を実現する足部装着型小型インターフェースの開発
Project/Area Number |
16H06079
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野崎 貴裕 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (20734479)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インピーダンス / 動作分解 / 力触覚代替 / 動作代行 / 遠隔操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小型アクチュエータを搭載した足部インターフェースを開発し、知覚代替および動作代行の人工実現を達成する。これにより、従来は得ることのできなかった義手の力触覚を、健常な身体部位である足部に代替させ、身体機能を補完、力強さと繊細さを兼ね備え、かつ、環境適応性の高い動作を実現する。研究目的を確実に達成するため、本研究では四年間の研究期間を三つの小期間に分割。各期間に小目的を設定し研究を遂行する。また、各分野の専門家である研究協力者らとのディスカッションを適宜実施し、進捗状況や研究開発に関する客観的助言を得る。平成28年度を研究計画第一期(H28.4-H29.3)に位置付ける。第一期では、足部の運動特徴を表すモーションインピーダンスの抽出に取り組む。上肢における運動機能を人工的に補完する場合、最も有力な力触覚供給部位は足部であることが、過去に実施した研究活動スタート支援の研究により明らかとなっている。したがって、義手や摂食支援装置に力触覚受給機能を付与する場合には、供給側と受給側の動きが大きく異なるため供給側の力触覚を受給側に適切に写像し、動作を対応付ける必要がある。本年度では、人間の足部動作から基本三要素を抽出する際に用いる同定信号の選定に取り組むとともに、可動域・速度の測定および、足部出力の測定・解析を行った。また、従来のモーションインピーダンスの抽出においては、位置、速度、力に関する情報をマスター(操作用装置)とスレーブ(作業用装置)とで双方向に通信をする必要があったが、これがコンプライアンス制御における平衡点制御と等価であることを明らかにした。これにより、モーションインピーダンスの抽出に必要となる通信量を削減することに成功した。さらに、負荷側完全センサレス制御を提案することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マスター(操作用装置)とスレーブ(作業用装置)の双方において、位置センサおよび力センサを一切用いることなく人間動作を構成するモーションインピーダンスを抽出することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画第二期(平成29年4月から平成30年9月)への着手を開始する。研究計画第二期では小型アクチュエータの開発と、足部インターフェースのプロトタイプ設計および開発に取り組む。具体的には第一期の解析結果をもとに、要求仕様を策定し、回路の開発を行う。また、これと平行しアクチュエータ開発と機構設計、外装製作等のハードウェア研究を進める。この際に問題となるのがアクチュエータの小型化である。日常生活におけるモビリティ(移動性)を妨げることなく、また使用者に外観的負担を与えることなく足部に力触覚供給装置を設置するには、厚さ2.5cm、出力10N程度の小型高出力アクチュエータが必要となる。さらに、鋭敏な力触覚情報を取り扱うため、高い応答性とバックドライバビリティ(逆可動性)が必須である。すでに、ある程度のモータの選定は完了しており、これに改良を施すことで本小目的を達成する見通しである。
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Research Products
(14 results)