2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H06094
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 裕樹 大阪大学, 工学研究科, 講師 (00548076)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 予測値整形 / 自動走行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,自動車の自動走行システムを対象とする.これは,たとえば,障害物回避のように,環境情報(障害物の位置)をもとに,自動車を制御(加減速・操舵)するものである.従来の研究では,「環境の予測」と「自動車の制御」の問題を別々に考え,それぞれに対して要素技術が開発されてきた.これに対して,本研究では,予測技術と制御技術を有機的につなぐ新技術として,予測値整形機構「予測ガバナ」を導入する.本研究では,まず,予測ガバナの設計理論を整備する.そして,予測ガバナを自動走行に応用し,実験を通して有用性を示す.
これに対して,本年度は以下の成果を得た. 1.安定性を考慮した予測ガバナの設計:まず,非最小位相系に対して最適な予測ガバナを構築すると予測ガバナが不安定になることを明らかにした.そして,その不安定化の問題を解決するために,システムの直列分解に基づく設計手法を提案した.2.安定性と入力制約を考慮した設計:予測ガバナのゲインを導入し,安定性とゲイン制約を考慮した問題を定式化した.そして,線形計画法と特異値分解に基づく設計手法を提案した.また,不安定な機械システムを用いた検証実験を行った.3.非線形システムに対する予測ガバナの設計:入力アフィンなシステムに対する非線形予測ガバナの設計問題を定式化した.そして,その問題の最適解を解析的にを導出した.4.1/10スケールの自動車ロボットから構成される実験環境を整備した.そして,それを用いて制御実験を行い,提案手法(非線形予測ガバナ)の実応用可能性を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にはなかった「入力制約を考慮した設計手法の構築」や「非線形システムに対する非線形予測ガバナの提案」などの成果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
構築した実験システムを用いて実機実験を行い,提案手法の有用性を検証する.さらに,実験を通して理論的課題を抽出し,それを予測ガバナの設計理論の整備に反映させていく.
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Research Products
(10 results)