2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Dynamic Characteristics and Coupling Analysis of Long-span Curved Structures in High Winds
Project/Area Number |
16H06109
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
張 景耀 名古屋市立大学, 大学院芸術工学研究科, 准教授 (50546736)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大スパン構造 / 強風 / 振動特性 / 連成解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本には毎年平均4つほどの台風が上陸しており、ダウンバーストや竜巻などの局地的強風も頻発している。地球温暖化に伴い、今後の強風被害も益々多くなると予想される。 軽量かつ効率的に大きな無柱空間を覆う大スパン軽量構造は、体育館やショッピングモールや大型倉庫など大きな内部空間が必要とする構造物によく利用されている。これらの構造物の多くは、大型集客施設であり、災害時の避難所としても指定されるため、非常に重要な社会的存在でもある。 大スパン軽量構造は、スパンのわりに非常に軽く、固有振動数が低いため、地震被害が少ない。 一方で、通常の構造物より柔らかく、大変形が起こりやすいため、強風による被害は国内外でも数多く報告されている。更に、その構造計画および構造設計において、風荷重のレイノルズ数依存性、計画外の開口部による荷重・応答変化、現行連成解析手法の適合性が低いなど多くの課題を抱えている。 曲面を有する大スパン軽量構造の強風時構造性能を正しく評価するために、本研究では内圧・外圧・構造振動の連成問題に対して理論的基礎を築き、更に、任意形状の大スパン軽量構造に適用できる強風・構造振動の連成解析に対して渦法に基づいた数値的手法を開発することを目的としている。 初年度に、 内外圧連成理論式の拡張:突風または破片によりドアや窓が破損し、開口部が生じたことを想定して、開口部の空気を一質点として定義する。大スパン軽量構造の大変形に伴う体積変化による内圧変動に関わる関係式を誘導した。さらに、開口部を通じた屋根振動と内圧変動に関する2自由度連成解析モデルを提案した。 また、連成解析の数値計算手法として採用する予定の渦法に対して、既存文献に関する調査を行い、本研究の目的達成に有用であることを定性的に確認した。更に、2次元渦法の理論的基礎についても整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内外圧連成理論式の拡張:突風または破片によりドアや窓が破損し、開口部が生じたことを想定して、開口部の空気を一質点として定義する。大スパン軽量構造の大変形に伴う体積変化による内圧変動に関わる関係式を誘導した。さらに、開口部を通じた屋根振動と内圧変動に関する2自由度連成解析モデルを提案した。 連成解析の数値計算手法として採用する予定の渦法に対して、既存文献に関する調査を行い、本研究の目的達成に有用であることを定性的に確認した。更に、2次元渦法の理論的基礎についても整理した。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究成果に基づいて、以下にあるように理論的・実験的・解析的研究を行る予定である。 1.内外圧連成理論式の拡張:縮小模型の自由振動および風洞実験により、初年度の提案した開口部を通じた屋根振動と内圧変動に関する2自由度連成解析モデルの有効性と精度を検証する。また、この提案モデルを利用し、開口部のある大スパン曲面軽量構造の空力質量および空力減衰に対して、理論的フレームワークを構築し、縮小模型の自由振動実験によりその有効性を検証する。更に、強風による大スパン軽量構造の多振動モードが励起されることを想定し、提案した2自由度解析もでるを多自由度解析モデルに拡張し、強風時の動的解析手法を提案する。 2.渦法による流れ場・外圧分布・内圧変動の計算:低Re数領域における渦法を開発し、渦要素間の独立性を利用して並列計算より高速化を図る。また、固定屋根に対して、渦法による屋根面の外圧分布を風洞実験で得られた外圧分布および模型内の内圧変動との比較により、その精度を検証する。
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