2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of electrochemical devise by control of inner potential into proton conducting-oxide
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16H06124
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
奥山 勇治 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80613281)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プロトン伝導 / 高圧水蒸気 / 電気化学デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
【高圧インピーダンス測定について】イットリウムを添加したバリウムジルコネートにおいて水素イオンが飽和すると予想される10-20barの水蒸気下にてインピーダンス測定を行い、プロトン伝導を評価した。さらに10barの重水蒸気下にてインピーダンス測定を行い600-400℃、高圧下でのプロトン・デューテロンの同位体効果について検討した。プロトンとデューテロンの伝導度比σ(H+)/σ(D+)は1.5±0.5となり同位体効果が観測された。飽和プロトン濃度と10bar, 20barでの電気伝導度からプロトン移動度を見積もった結果、値は一致しておりプロトン移動度は水蒸気分圧に依存していないことが明らかになった。 【酸化物中のMn価数について】マンガンを添加したストロンチウムジルコネート内のマンガンイオンの価数を添加元素によって制御することが可能であるかを検討するためAl, In, Y, Ybを微量に添加した際のマンガンイオンの価数を電子スピン共鳴(ESR)にて調べた。Mnを添加したストロンチウムジルコネートのみでは還元性雰囲気では3+であったMnの価数が酸化性雰囲気では一部4+となることが昨年度の研究で明らかとなっている。AlやInを添加した場合は無添加のものと同様にMnの価数が酸化性雰囲気で4+、還元性雰囲気では一部3+となることが明らかになった。一方、YやYbのようなイオン半径の大きな元素を添加すると酸化性雰囲気と還元性雰囲気ともにMnの価数が3+となっていることが明らかになった。 【ポテンシャルプロファイルについて】La系ペロブスカイト酸化物およびBa系ペロブスカイト酸化物の部分伝導度を評価し、種々の条件下の燃料電池および水蒸気電解時の電流・電圧特性及びポテンシャル分布を計算してデバイスに適した材料について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に従って圧力や局所的な構造に伴う効果を検証できた。また、初年度に不十分であった多種のプロトン伝導体の評価もでき、多くの知見を得ることができた。最終年度で検討予定であった組成勾配を伴った電気化学デバイスの特性についても研究に着手できており上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度に引き続き水蒸気分圧勾配、水素分圧勾配、酸素分圧勾配下での水素電流と酸素電流、電子電流を実験的、解析的に調べると共に内部ポテンシャルへ与える温度勾配の影響や組成勾配が与える内部ポテンシャルへの影響およびデバイス特性について検討する。具体的にはbi-layerとなるように異なるプロトン伝導体を積層した燃料電池にて電流・電圧特性を評価し内部ポテンシャルと流れるプロトン電流の関係について調べる。さらに温度勾配を利用してポテンシャル勾配を制御し電子リークの低減を目指す。
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