2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of photocatalytic CO2 reduction systems using hybrids of carbon nitride semiconductors and metal complexes
Project/Area Number |
16H06130
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 和彦 東京工業大学, 理学院, 准教授 (40549234)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光触媒 / 金属錯体 / 二酸化炭素固定化 / 半導体 / 人工光合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ru(II)単核錯体/窒化炭素融合光触媒は、可視光照射下でのCO2のギ酸への還元反応において高いみかけの量子収率、選択率、そして耐久性(触媒回転数)を有する。本年度はこの光触媒に関し、時間分解可視-赤外分光法と発光分光法を用いて光励起キャリアの挙動を調べた。その結果、光励起後に窒化炭素の伝導帯付近に生成した電子が、Ru錯体へ数ピコ秒の速い時間オーダーで移動していることを明らかとした。論文はJ. Phys. Chem. C誌に発表した。尚、本研究は豊田工業大学の山方啓准教授との共同研究成果である。 高いギ酸生成性能とは対照的に、金属錯体/窒化炭素融合光触媒のCO2 → CO変換の効率・耐久性は低く、これらを向上させることが課題となっていた。本年度は、パリ第7大学のMarc Robert教授のグループと共同でFe(II)錯体触媒を組み込んだ窒化炭素融合光触媒系を構築し、CO生成において過去最高となる触媒回転数155、みかけの量子収率4.2%、CO選択率95%以上を達成した。論文はJ. Am. Chem. Soc.誌に発表した。 以上の研究で用いた窒化炭素はバンドギャップが2.7~2.8 eVと比較的大きく、広域可視光の利用という観点では満足なものではない。本年度の研究では、尿素とフェニル尿素の熱重合によって得られる窒化炭素が最大で700 nm程度までの可視光を吸収し、Ru(II)単核錯体と融合することでCO2をギ酸へと変換する光触媒となることを見出した。尿素のみから得た従来型の窒化炭素では反応が進行しなかった500 nm以上の可視光照射下でも、ギ酸を生成することが判明した。論文はACS Sustainable Chem. Eng.誌に発表した。尚、本研究はThe University of New South WalesのRose Amal教授との共同研究成果である。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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