2017 Fiscal Year Annual Research Report
マルチファンクショナルセルラーゼによるバイオマス分解能の拡張とバイオ繊維原料生産
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16H06132
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 勉 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (90436551)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオリファイナリー / 代謝工学 / 細胞表層提示 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は表層提示系と代謝工学を組み合わせることにより、バイオマス資化能力と生産能の改良を行った。大腸菌、コリネ菌、及び分裂酵母を宿主とし、それぞれに対して表層提示系の構築によるオリゴ糖資化能を付与した。大腸菌及びコリネ菌においては、セロビオースを炭素源として増殖させ、その増殖速度を向上させることに成功した。続いてこれらの微生物に代謝改変を施した。大腸菌及びコリネ菌においてプトレシン生産経路を導入し、炭素フラックスを強化すること、及び副産物の経路を遮断することでその生産量を向上させた。分裂酵母においては有機酸生産経路を導入し、フラックスの強化及びエタノール生産経路の破壊により同様にその生産能を向上させた。この改変株に対し表層提示系を導入することで、セロオリゴ糖からの物質生産を行った。グルコース取り込み能の改善を行い、わずかにその取り込み能を向上させたが、まだ改善の余地があることがわかった。また、表層提示系を導入した株については、昨年度に比べてグルコース及びセロビオースの両方においてその炭素収率を向上させることができた。また、その向上は経路に依存することが明らかとなった。ジャーファーメンターを用いたフェドバッチ培養の検討も進めており、バッチ培養に比べて生産量を向上させた。セロオリゴ糖を原料として通気や酸素濃度等の培養条件の検討を行い、その生産性を向上させることに成功した。引き続き次年度も生産量の向上および生産性の改良を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、表層提示系及び代謝改変の両方を施したベースとなる株の改良に成功し、物質生産にも成功していることから、順調に進展しているといえる。引き続きこの改良株をベースに生産量の向上を含めた検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
代謝工学と表層工学の融合により生産量を向上させるためのアプローチについて検討を進める。
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