2018 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔脳深部の生体イメージングによる活動依存的な視床皮質回路形成の包括的解析
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16H06143
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水野 秀信 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (00567159)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 2光子イメージング / 大脳皮質 / 単一細胞標識 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『独自開発した新生仔大脳皮質の生体イメージング法により、活動依存的な神経回路形成の分子細胞メカニズムを解明する』ことである。 平成29年度までの研究で、2光子カルシウムイメージングにより、新生仔マウスの大脳皮質体性感覚野第4層においてパッチワーク状に同期する活動パターンが存在することを見出した(Mizuno* et al., CellReports 2018, *correspondence)。パッチワーク状の活動は第4層神経回路が形成される生後1週齢において選択的に観察されたため、第4層神経回路形成に関与すると考えられる。 平成30年度は、4月に熊本大学国際先端医学研究機構に移動し研究室をスタートすることになったため、年度前半は保有する2光子顕微鏡の移設を含む研究室立ち上げを行った。年度後半は立ち上げによる遅れを取り戻すため精力的に研究を進めた結果、一定の成果を得ることに成功した。具体的には、新生仔体性感覚野第4層細胞の正しい同期活動パターンの発生に関わる分子を探索し、ある分子が関わる可能性を示す予備的結果を得た。なお、立ち上げ作業と並行し新生仔脳イメージングのプロトコール論文を発表した(Mizuno* et al., J Vis Exp 2018, *correspondence)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立ち上げに伴う研究の遅れを最小に抑え、責任著者として論文を1報発表し、かつ次の論文発表につながるデータの取得に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、研究実績の概要にまとめた予備的結果の検証を進め、論文発表を目指す。また、これまでに生体内で第4層細胞の活動と形態を同時観察する条件を見出しており、細胞形態と活動の関連を調べることで、大脳皮質神経回路形成における同期活動の役割を明らかにすることを目指す。
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