2017 Fiscal Year Annual Research Report
全ゲノム重複がゲノム構造進化に与える影響の包括的解明
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16H06154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 渉 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50545019)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス / ゲノム / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物のゲノム構造進化に「ゲノム重複」はどのような本質的役割を果たすのか。その詳細解明のボトルネックは、全ゲノム重複が“繰り返し実験”をすることができない稀なイベントであることにあった。本研究では、ゲノム生物学史上極めてユニークなデータである「近縁系統で独立に全ゲノム重複を経験した真菌群」のゲノムデータを徹底的に解析することを目的とした。特に、これにより、真確生物のゲノム進化にゲノム重複が果たす役割を、遺伝子セットの進化、遺伝子の並び順(シンテニー)の進化、遺伝子配列の進化の3つの観点から、飛躍的に高い解像度で解明することを具体的な狙いとしている。この目的を達成するため、平成29年度は、本研究でターゲットとするTrichosporon属4種のゲノムデータの質をさらに向上した。Trichosporon属は真菌の2大グループのうち、モデル生物である出芽酵母や分裂酵母が属する子嚢菌門とは異なる「担子菌門」に属している。そのため、出芽酵母や分裂酵母の遺伝子に対して配列相同性検索を行うだけでは、十分な遺伝子アノテーションの精度を確保できない問題が生じる可能性があった。そこで、複数の培養条件でRNAを抽出し、トランスクリプトームシーケンスを行い、得られたデータをゲノムデータに対してマッピングし、遺伝子アノテーションを改善した。また、ゲノムデータの質の向上に続き、本格的なバイオインフォマティクス解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度も、予定通り研究を推進する。
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