2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical properties of microtubule motors and the mechanisms of mitosis
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16H06166
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
島本 勇太 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 准教授 (80409656)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有糸分裂 / 微小管 / 分子モーター / 染色体分配 / 紡錘体 / メカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度までに開発した顕微力学計測・蛍光イメージングシステムを用いて紡錘体の特徴的な構造部位(赤道面、極など)の力学特性を局所解析し、紡錘体が染色体分配軸にそって高度の力学的不均質性を持つことを明らかにした。具体的には、紡錘体の硬さは、極、赤道面、極と赤道面の中間領域、の順に高く、また構造の粘弾性は赤道面に近づくほどより粘性的・流体的になることを明らかにした。また、紡錘体の全長に30%程度の摂動を与えることができるマイクロマニピュレーション法を確立し、紡錘体の長さ変化が、構造的に最も軟らかく流動性の高い極と赤道面の中間領域の微小管滑り運動と共役して起こることを発見した。これまで有力な紡錘体モデルは、その全長変化が赤道面を構成する微小管の滑り運動と連動して起こることを基礎としている。本研究が明らかにした紡錘体の力学的性質は、このモデルとは本質的に異なるメカニズムを示唆するものである。さらに分子摂動実験を組み合わせることで、紡錘体が持つ力学的不均質性が、キネシン5とダイニン、2種類の微小管ベースのモータータンパク質に依存することを示した。以上の研究により、細胞の物理化学環境とその変動に応じて紡錘体がいかにその全長を柔軟に調節し、かつ染色体分配機能をロバストに達成することができるかについて、新たなモデルを提唱した(Takagi et al., Dev Cell 2019)。またこれと並行して、紡錘体の力学的不均質性に関与が示されたキネシン5のin vitro再構成アッセイについて解析を進め、キネシン5の多分子化による協同的な力発生の性質が、キネシン5の分子濃度に依らず保存され得ることが示された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)