2018 Fiscal Year Annual Research Report
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16H06167
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
板倉 英祐 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (90754218)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | crinopahgy |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究から、細胞内で不良化したタンパク質はオートファジーなどのタンパク質品質管理システムによって選択的に認識され、分解されることが明らかとなってきた。またそのシステムの欠損は神経疾患様症状を呈し、生理的にも重要である。小胞体で合成されたタンパク質は、正常に折りたたまれると分泌されるが、折りたたみが未成熟の場合では、小胞体内腔に留まるかもしくは分解される。しかし一度成熟した後も、タンパク質は多様なストレスを受けmisfoldingを引き起こす。分泌顆粒内の貯蔵分泌タンパク質が不必要になると分泌顆粒分解経路であるCrinophagyが働き、分泌顆粒内タンパク質を細胞外分泌ではなくリソソームへ輸送し分解すると考えられる。昨年度までの研究から哺乳類分泌ホルモン産生細胞においてcrinophagyを誘導する条件を探索し、その解析を進めてきた。その結果、細胞内分泌顆粒内の分泌タンパク質が特定の刺激によって分解誘導されることがわかった。本年度は、分泌タンパク質の分解機構をさらに拡張的に調べる研究を推進した。その結果、予期せぬことに、細胞外タンパク質が不良化に伴い選択的に分解される経路が存在することがわかった。このようなタンパク質分解系路はこれまで知られていない。その分子機構を解き明かすため、細胞外タンパク質の分解を定量的にモニターできる方法の確立に成功した。この定量方法を用いることでさらに遺伝子スクリーニングを実施している。これらの結果を元に関連する分子メカニズムの解明に迫る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
分泌タンパク質の運命をさらに突き進めて調べるため、細胞外の正常なタンパク質と不良タンパク質の挙動を追った。その結果、細胞外でミスフォールディングした不良タンパク質が細胞に取り込まれて分解される未知の経路が存在することが示唆され、新しいタンパク質分解系路の発展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
予定を幾分変更し、予想外の画期的発見を展開するため、細胞外ミスフォールディングタンパク質の分解系路に関わる遺伝子をスクリーニングによって調べあげ、その機能解析から、分泌タンパク質の新しい品質管理システムを明らかにする。
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Research Products
(8 results)