2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H06172
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小田 祥久 国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (30583257)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 微小管 / 細胞壁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は木部道管の二次細胞壁パターンの形成機構を明らかにすることにより、細胞の形態形成を担う細胞の空間情報処理機構を理解することを目的とします。平成28年度は二次細胞壁パターンに異常を示すシロイヌナズナ変異体の解析および逆遺伝学的に同定した二次細胞壁パターン制御因子の解析を行いました。次世代シーケンサーを用いたゲノム解析により、二次細胞壁パターンに異常を示す変異体の原因遺伝子として、ROP GTPase制御因子、微小管タンパク質、転写因子などをコードする遺伝子を同定しました。これらの遺伝子のT-DNA挿入変異体においても同一の表現型が観察されたこと、また一部の変異体に関しては相補実験により表現型が回復したことから、これらが原因遺伝子であることが判明しました。逆遺伝学的手法により同定した新規の微小管付随タンパク質ファミリーの解析も行いました。この遺伝子ファミリーのT-DNA挿入変異体を解析しましたが、顕著な表現型が観察されなかったことから、このファミリーの遺伝子が冗長的に働いていることが示唆されました。公開されているシロイヌナズナのRNAseqデータを解析した結果、これらの遺伝子が道管を含み広く植物体において発現していることがわかりました。そのうち、道管で発現する2つの遺伝子のT-DNA挿入変異体をクロスし、二重変異体を作出したところ、二次細胞壁のパターンに若干の異常が観察されたことから、これらの微小管付随タンパク質が二次細胞壁パターンの形成に貢献していることが示唆されました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各手法により新知見が得られていることから、順調に進んでいると言えます。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は植物体および培養細胞、in vitroでの実験を組み合わせ、同定した制御因子の機能をさらに詳細に解明してゆく予定です。
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Research Products
(9 results)