2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of novel mechanisms of transcriptional regulation and lipid metabolism by FGF21
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16H06195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 誠 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (40409008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | FGF21 / 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、①脂肪肝におけるFGF21標的遺伝子の同定、②FGF21によるリン脂質代謝制御の解析、③脂肪肝におけるFGF21の発現調節機構の解析を実施した。 ①脂肪肝におけるFGF21 標的遺伝子の同定:FGF21欠損マウスもしくはFGF21を発現するアデノウイルスを投与したマウスに脂肪肝誘発食(メチオニン・コリン欠乏食)を摂取させた。肝臓からRNAを調製し、リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現解析の結果、FGF21により変動する遺伝子を複数同定した。現在、培養細胞を用いて各遺伝子の詳細な発現制御機構の解析を行っている。 ②FGF21 によるリン脂質代謝制御の解析:FGF21欠損マウスもしくはFGF21過剰発現マウスの肝臓から脂質抽出液を調製し、各種パラメーターを解析した。しかしながら、肝臓全体では予想していた変動をみることができなかった。そのため、組織内の各膜分画の単離法を確立した。このサンプルを用いて各分画におけるリン脂質の解析を行っている。 ③脂肪肝におけるFGF21の発現調節機構の解析:転写因子Xの欠損マウスを入手し、脂肪肝誘発食(メチオニン・コリン欠乏食)によるFGF21の発現変動を解析した。肝臓のRNAを用いたリアルタイムPCR解析の結果、欠損マウスにおいてFGF21の有為な発現低下が認められた。プロモーター解析の結果、FGF21の転写開始点上流に転写因子Xの応答領域が存在することが示唆された。現在、転写因子Xのプロモーター領域への結合実験など詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究②に関しては、予想に反してFGF21によるリン脂質の変動が認められなかったため、肝臓の各分画における解析を実施した。この分画法の確立に予想以上に時間を要したため、今年度に予定していたマイクロアレイ実験を実施できなかった(来年度への繰越申請済み)。一方、研究①と③に関しては順調に進行しているため、来年度内の研究終了が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度実施できなかったマイクロアレイ解析によるFGF21の標的遺伝子の同定を特に重点的に行う。また、予定していたFGF21標的遺伝子の脂肪肝抑制効果、欠損マウスを用いた転写因子Xによる脂質制御、そのプロモーター領域の解析を行う。 本助成金は、申請書の研究実施計画に記載した実験に必要な経費に用いる。具体的には、遺伝子発現解析に必要な消耗品(DNAチップ、マイクロアレイ試薬)、培養細胞実験に必要な消耗品(食品成分、血清、培地、RNA解析等に必要な試薬類)、動物実験に用いる消耗品(実験動物購入費、餌、血液・RNA解析関連試薬類)、及び旅費(学会における研究成果発表、本研究と関連ある発表内容の情報収集)のための費用である。
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