2017 Fiscal Year Annual Research Report
Consumers' Demand and Satisfaction for Food Quality and Safety in China
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16H06203
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下川 哲 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40767224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食品安全性 / 食料需要 / 選択実験 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国では食品安全問題が頻発しており、国民の「食品の質と安全性」に対する不満が急速に高まっている。本研究では、中国における「食品の質と安全性」に対する需要と満足度の現状およびそれらの決定要因を究明するため、選択実験の手法を用いて需要と満足度の地域格差および時間的変化の要因について多角的かつ重層的に検証する。ひいては中国における「食品の質と安全性」を改善し、消費者の満足度を向上させるための政策的示唆につなげる。 平成29年度は、選択実験の一手法である離散選択実験を用いることで、中国の消費者がコメと豚肉の「質と安全性」に対して支払ってもよいと思う金額と満足度について調査した。また、その金額に影響する要素について情報を収集した。調査は、武漢大学質量発展戦略研究院の協力を得て、中国の湖北省における都市部と農村部において8月に実施した。 より具体的には、武漢市、孝感市、黄岡市の8つの区町(都市部)および8つの村(農村部)で、約700世帯を対象に選択実験と世帯調査を行った。調査世帯は、各区町村の住民票から無作為に抽出された。実験では、被験者に以下の3つの選択をしてもらう。(1)価格、産地、品質ラベルを無作為に組み合わせた仮想的な4種類のコメから、最も好ましいコメを選択する。(2)価格、色、脂質含有量、品質ラベルをランダムに組み合わせた仮想的な4種類の豚肉から、最も好ましい豚肉を選択する。(3)選択可能だったコメと豚肉の品ぞろえについて、7段階で満足度を選択する。以上のような実験を行った後、被験者の品質ラベルに関する知識、年齢、性別、教育レベル、世帯年収などの情報を収集した。 収集した調査データは10月までに入力およびクリーニングをすませた。11月より、「食品の質と安全性」に対する需要の地域格差と、品質ラベルに関する知識の重要性について分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度の現地調査が遅れたことにより、同様の調査を短期間で二度おこなうことは学術的な意義も小さく、現地の市区町村の協力を得るのも難しいと判断した。そのため、現地協力機関と協議した結果、平成30年7月に2度目の調査をおこなうことで再調整することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、2度目の現地調査を行う予定である。10月までに入力およびクリーニングをすませる。11月よりデータ分析を開始し、論文執筆も同時にすすめる。また、平成29年度に収集したデータを分析し、平成30年度には研究論文として公表する予定である。
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Research Products
(1 results)