2018 Fiscal Year Annual Research Report
Consumers' Demand and Satisfaction for Food Quality and Safety in China
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16H06203
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下川 哲 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (40767224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食品安全性 / 食料需要 / 選択実験 / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国では食品安全問題が頻発しており、国民の「食品の質と安全性」に対する不満が急速に高まっている。本研究では、中国における「食品の質と安全性」に対する需要と満足度の現状およびそれらの決定要因を究明するため、中国湖北省において選択実験と現地調査を実施した。平成30年度は、昨年度に収集したデータを使い計量経済学的分析をおこなった。 第一に、「食品の質と安全性」に対する需要の農村部と都市部の格差に注目し、その格差を説明する要因として食品ラベルに関する知識の役割について分析した。より具体的には、中国における米と豚の「緑色ラベル」と「有機ラベル」について検証した。分析により、ラベル知識によって緑色ラベルへの支払意思額が増え、その効果は都市部のほうが大きいことが分かった。また、ラベル知識のない消費者の緑色ラベルへの支払意思額は農村部ではほぼゼロだったが、都市部では有意に正だった。これらラベル知識の効果の都市農村間の差により、「緑色ラベル」に対する需要の都市農村間の差の25%から33%が説明されることを示した。これら結果より、「食品の質と安全性」に対する需要を増加させるには、所得の向上だけでは不十分であり、「食品の質と安全性」に関するラベルの知識を向上する重要性が示唆された。 第二に、「より安全な食品の入手可能性」が消費者満足度に与える影響について分析した。分析により、「緑色ラベル」と「有機ラベル」が付いている米と豚の入手可能性が上がることで消費者満足度も向上することがわかった。また、その影響は、ラベル付きの食品を選んだ消費者よりも、ラベル付きの食品を選ばなかった消費者の間でのほうが大きかった。これら結果より、より安全な食品の入手可能性を向上させることで、実際の購入者の満足度だけでなく、見るだけで購入はしない消費者の満足度も向上させることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)