2019 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザウイルス受容体タンパク質の同定とその標的化合物の探索
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16H06227
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤岡 容一朗 北海道大学, 医学研究院, 講師 (70597492)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エンドサイトーシス / インフルエンザウイルス / イメージング / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、電位依存性カルシウムチャネルがインフルエンザウイルスの宿主細胞侵入において鍵となる受容体タンパク質の一つであることをCell Host & Microbe誌に報告した(Fujioka et al 2018 Cell Host Microbe)。インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)がシアル酸修飾を介して電位依存性カルシウムチャネルと結合することを示し、その結合が細胞内カルシウム濃度上昇に重要であることが明らかとなった。そこで、両者の結合を阻害する少分子化合物スクリーニング系の基盤構築を行った。カルシウムチャネルとHAにそれぞれシアン色蛍光タンパク質(CFP)もしくは黄色蛍光タンパク質(YFP)を融合し、細胞に発現させた。それぞれの細胞から精製したタンパク質可溶化液を混合し、マルチモードプレートリーダーを用いて蛍光強度を測定したところ、フェルスターの共鳴エネルギー移動(Forster resonance energy transfer, FRET)が生じていることが確認された。すなわちin vitroにおいてHAとカルシウムチャネルの相互作用を検出する系の構築に成功した。また同時に、両者の相互作用が直接的であることを示すことができた。今後、この計測系を用いることで両者の相互作用を阻害する少分子化合物のスクリーニングが可能となり、カルシウムチャネルの機能を阻害することなく相互作用のみ抑制する少分子化合物が同定できれば、副作用のない抗インフルエンザウイルス薬開発への展開が期待される。また、我々はインフルエンザウイルス宿主細胞侵入を抑制するペプチド配列も同定しており(Fujioka et al 2019 Cell Struct Funct)、将来的な抗ウイルス対策への発展が見込まれる。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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