2017 Fiscal Year Annual Research Report
Negative selection of T cells by the factor suppressing autoimmunity
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16H06228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高場 啓之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50637444)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 免疫寛容 |
Outline of Annual Research Achievements |
T細胞は獲得免疫を制御する中心的な細胞集団であり、T細胞抗原受容体(T cell receptor: TCR)をもつ。TCRは多様性に富み、胸腺においてDNA組換え機構により創出されている。TCRの多様性は、外来から侵入する未知の病原菌でも認識することを可能にするという大きな利点がある。しかし一方で、TCR遺伝子の組換えは無作為に行われるため、自己成分に応答するT細胞(自己応答性T細胞)が一定の割合で出来上がってしまう。そこで、末梢での自己免疫反応を未然に防ぐために、自己応答性T細胞は胸腺で除去されている。胸腺での自己応答性T細胞が除去される過程を「負の選択」と呼ばれており、全身における自己免疫寛容の成立に非常に重要である。われわれはこの負の選択の機構に中心的に働く転写因子Fezf2に注目して研究を進めている。これまでFezf2遺伝子座にFLAGを挿入したマウスを樹立することで、抗Flag抗体を使用しvivoのFezf2を回収を入手することが出来た。この抗体を用いてFezf2が胸腺上皮細胞内のゲノム上のどの位置に存在するかをChIP-seqやATAC-seq解析を行うことでFezf2分子の機能を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
良いFezf2モノクローナル抗体の樹立で目的とするレベルのものの樹立が出来なかった。しかし、代替案でタグを挿入したノックインマウスを作製することで胸腺内のFezf2の機能を解析することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
良いFezf2モノクローナル抗体の樹立はうまくいかなかったが、代替案でタグを挿入したノックインマウスを作製することで胸腺内のFezf2の機能を解析することが可能となった。今後、このマウスを活用することでFezf2の機能がより分子レベルで解明されると考えられる。
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