2016 Fiscal Year Annual Research Report
社会保障システムの継続性に資する家族・保険制度・地域社会の相互関係に関する研究
Project/Area Number |
16H06235
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
涌井 智子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70725845)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 家族介護 / 介護保険システム / 国民生活基礎調査 / 介護保険レセプト / 国際比較調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、持続可能な介護保険システムの実現に向けて、要介護高齢者とそれを取り巻く家族、地域社会、介護保険制度の相互作用を明らかにし、将来の我が国の介護状況に向けた3者のバランスのあり方を検討することである。このために、マクロレベル解析による家族介護のトレンド把握と将来予測、および医療・介護保険利用者のサービス利用パターンの解析、脆弱介護状況にある高齢者と介護者を対象にしたミクロレベルでの実態把握、介護研究共有のための国際的実態比較調査を予定している。 当該年度の主要研究は、まず、今後の介護保険プログラムに構築に向けて家族の役割を議論することとし、国民生活基礎調査を用いた家族介護のトレンド解析を行った。加えて、介護レセプトデータを用いて、在宅サービス利用と施設入所との関連を検討し、介護保険プログラムの提供に資する知見を得た。さらに、次年度以降の国際実態比較調査による家族・介護保険・地域社会の相互関係の違いを検討するために諸外国(英国、米国、台湾、ノルウェー、ドイツ)の高齢者介護の状況を把握(データ解析および研究者らからのヒアリング)し、基礎的資料となる知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究として予定していた「家族介護の将来予測と医療・介護保険サービス利用パターンの解析」について、国民生活基礎調査および介護レセプトデータの解析を進めており、おおむね順調に研究が進展している。次年度報告に向けて論文執筆を予定している。また、国際実態比較調査による家族・介護保険・地域社会の相互関係の違いを検討するために、米国や英国、ドイツや台湾の研究者らとのディスカッションを通して、各国の介護の状況及び家族の役割についての研究者へのヒアリングを実施できたため、次年度以降の国際共同研究に向けて、順調に計画を遂行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「家族介護の将来予測と医療・介護保険サービス利用パターンの解析」についてはさらなるデータ解析および論文執筆を進め、我が国における介護の在り方を提言するために、将来に向けた介護における家族の役割の整理と介護保険プログラム提供に資する論文執筆を進める。加えて、国際共同研究を進めるため、解析可能なデータの照会を進める。
|
Research Products
(14 results)