2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of PET scanners with Compton scattering by plastic scintillators
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16H06238
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中森 健之 山形大学, 理学部, 准教授 (30531876)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 陽電子断層撮像 / PET / TOF / DOI / 半導体光センサ / MPPC / コンプトン散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラスチックシンチレータでのコンプトン散乱による信号を用いた飛行時間計測精度の評価を行った。ガンマ線反応位置の深さ方向に感度を持たせるために、空気層を介してプラスチックシンチレータを積層して両端を光センサで読み出すという構成を取る。その際に、センサから離れた位置にあるピクセルでは時間分解能が劣化することが懸念されたため、実験によって確認した。3mm各のプラスチックシンチレータでも5層程度は向きシンチレータに対する優位性を損なうことなく積層可能であることがわかった。 PETガントリの一部となる試作機の開発を始めた。無機シンチレータ用に開発された既存製品の改造と、時間計測部の新規制作を行った。実験をもとにして、回路部品やパラメータの決定を行った。具体的には、(1)時間分解能を損なわない高い周波数帯域を持つアンプと増幅率を決める抵抗値の決定(2)波高による検出時刻のずれ(タイムウォーク)を補正するソフトウェアを開発し、CFDを用いずとも高い時間分解能が実現できることを実証(3)パルス幅の短いプラスチックシンチレータの信号を精度よくADCがサンプリングしてエネルギー分解能と位置分解能を損なわないように、波形整形の時定数を変更したことなどが挙げられる。開発する試作機の一部となるセンサ部とデータ収集系を用いて、ガンマ線の反応位置とエネルギーデポジットを計測し、コンプトン散乱イベントが取得できていることを実証した。散乱体・吸収体ともに期待される位置分解能が得られ、トリガロジックも設計通り動作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画では2年目に予定していたガントリの一部となるプロトタイプの制作を開始することができたことがもっとも大きな根拠である。また懸念点であった、位置分解と時間分解能の両立が可能であることも実証でき、1年目に想定していた課題を全てクリアしている。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプシステムの全系を制作し、計画したPET検出器ユニットを動作させる。特に新規開発となった時間計測回路の動作確認に時間を割く予定をしている。その後は画像再構成ソフトウェアを整備し、イメージング装置としての解像度を評価する。
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