2019 Fiscal Year Annual Research Report
大規模レジストリによる終末期がん患者の重大症状に対する薬物療法のエビデンス創出
Project/Area Number |
16H06239
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
前田 一石 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床講師 (70706639)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 緩和医療 / レジストリ研究 / リアル・ワールドデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は終末期がん患者の重大症状について、実臨床の患者全例を対象とした大規模なレジストリを構築することにより、治療の有効性・安全性および臨床転帰について明らかにすることを目的とする観察研究である。2020年3月までにせん妄、嘔気嘔吐、オピオイド関連有害事象に関するレジストリ研究を行った。 1)せん妄のレジストリ研究:817名の症例登録を行った。主研究では終末期がん患者におけるせん妄に対して抗精神病薬は統計学的に有意にせん妄重症度を低下させるが、その効果量は小さい、脆弱な集団においても少量・短期間の使用であれば安全性が高い(重篤な有害事象3例:めまい、低血圧、血球減少)ことを明らかにした。結果を学会・論文発表した(日本緩和医療学会、Oncologist 2019, Cancer Med 2020等)。 2)嘔気嘔吐のレジストリ研究:101名の症例登録を行った。進行がん患者の嘔気嘔吐に対してオランザピンは高い有効性(84%)を示し、安全性も高いことを明らかにした。結果は日本緩和医療学会で発表した。 3)オピオイド関連有害事象(オピオイド誘発性便秘症)のレジストリ研究:200名あまりの症例登録を得て終了。ナルデメジンは高い有効性(71.6%)と安全性(重篤な有害事象2例:下痢、腹痛)を示すことが明らかとなった。結果は国内・国際学会で発表した(American Society of Clinical Oncology 2019、日本がんサポーティブケア学会)。 本研究を通じて、国内の緩和ケア施設のネットワーク構築および多施設共同によるレジストリ研究の実施基盤が形成された。具体的な学術的成果として、上記の通り難治性症状に関する終末期がん患者のような脆弱な集団における実臨床(リアル・ワールド)での薬物療法の安全性・有効性についての報告を行うことができた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Naldemedine for opioid-induced constipation in patients receiving palliative care: A real-world registry study (Phase-R OIC Study)2019
Author(s)
Masaki Shimizu, Takaomi Kessoku, Hiroto Ishiki, Tetsuya Matsuura, Yusuke Hiratsuka, Yoshinobu Matsuda, Takaaki Hasegawa, Kengo Imai, Isseki Maeda, Shunsuke Oyamada, Eriko Satomi
Organizer
ASCO 2019 annual meeting
Int'l Joint Research