2018 Fiscal Year Annual Research Report
Brown adipose tissue dysfunction promotes metabolic disorder in a failing heart.
Project/Area Number |
16H06244
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 逸平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60444056)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 心不全 / 老化促進代謝物質 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全モデルマウスを用いて行ったこれまでの予備実験の結果、様々なストレスにより機能不全に陥った褐色脂肪に由来する生理活性物質が心臓の代謝的、構造的リモデリングを引き起こす可能性が強く示唆された。そこで本研究において、心不全の病態に着目し、機能不全に陥った褐色脂肪由来生理活性物質により心筋代謝の恒常性が負に制御される分子機序の解明に挑むこととした。 褐色脂肪特異的機能不全モデルマウスを開発し、左室圧負荷時の表現型を解析した。褐色脂肪特異的機能不全モデルマウスは野生型マウス(WT)と比較して圧負荷に伴う心機能低下と体温低下が増悪した。心不全モデルマウスに褐色脂肪移植を行うと心機能が改善すること、褐色脂肪を支配する交感神経を除神経したマウスに圧負荷モデルを作製すると心機能低下が改善することもわかった。メタボローム解析の結果、褐色脂肪が機能不全に陥ることで酸化型コリンのレベルが血液中で上昇することもわかった。酸化型コリンはミトコンドリア機能不全を惹起し、心臓の代謝不全と線維化を促進することで心不全の病態を増悪させることがメタボローム解析の結果から明らかとなった。酸化型コリン変換酵素ノックアウトマウスでは圧負荷時の心機能低下が改善することもわかった。現在プロテオミクスの手法も用いて酸化型コリンがミトコンドリア機能不全を惹起するメカニズムの解明に挑んでいる。 本研究により、心不全時に心臓の代謝不全を増悪させる代謝物質が全身に循環することが明らかとなった。また、骨格筋の線維化と筋力低下も惹起される可能性が示唆されている。このような役割を担う代謝物質を「老化促進代謝物質」と捉え、その病的意義を今後も明らかにしてゆきたい。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|