2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of splicing regulation and splicing quantitative trait loci (sQTL) in brains of major psychoses
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16H06254
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高田 篤 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90643693)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 選択的スプライシング / ゲノム / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度までの研究において、脳内で選択的スプライシングと有意に関連する量的形質座位(splicing quantitative trait loci: sQTL)を網羅的に同定し、そのリソースを作成した。さらに、ゲノムワイド関連解析(genome-wide association study: GWAS)で統合失調症等と関連を認めた座位では有意にsQTLが多いこと、統合失調症とゲノムワイドな有意水準で関連する108の座位のうち4つで、関連SNPが脳sQTLとして働いていることを明らかにした(Takata et al., Nature Communications 2017)。上述の結果の一部については、他グループからの独立した研究でも同様の所見が確認された。また、自閉スペクトラム症、発達性及びてんかん性脳症を対象とした大規模バイオインフォマティクス解析を、選択的スプライシングに影響を及ぼしうるエクソン領域の変異についての検討を含めて行い、その結果を報告した(Takata et al., Cell Reports 2018、Takata et al., Nature Communications 2019 (in press))。さらに、RNA-seqデータとゲノム配列データを複合的に解析することによって、選択的スプライシングに影響を及ぼすNEBの深部イントロン変異を、ネマリンミオパチーの新規原因変異として同定した(Hamanaka et al., Genetics in Medicine 2018)。統合失調症群と健常群で選択的スプラインイベントを比較した解析では、多重検定の補正を超えて有意な差を認めるイベントは同定されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳内で選択的スプライシングと有意に関連する量的形質座位(splicing quantitative trait loci: sQTL)のリソース作成、疾患と関連する深部イントロン変異の同定など、概ね当初の予定通り進捗している。また関連プロジェクトとして、自閉スペクトラム症、発達性及びてんかん性脳症を対象とした大規模バイオインフォマティクス解析を行い、その結果を報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに引き続き、選択的スプライシングに影響を及ぼすことによって疾患リスクに関与する変異の同定を目指す。そのための新たな取り組みとして、全ゲノムシーケンスデータを用いた非コード領域の変異の解析、機械学習を用いた病的変異の抽出アルゴリズムの開発などを計画している。
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