2017 Fiscal Year Annual Research Report
炎症の慢性化に関与するNLRP3インフラマソームの制御機構の解明
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16H06270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 智彦 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (50510723)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 炎症 / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
IL1bの成熟に必須であるインフラマソームと呼ばれるタンパク質複合体が慢性炎症の発症に重要であることが明らかとなってきた。インフラマソームの活性化にはそのセンサータンパク質が重要であることから、センサータンパク質であるNLRP3と直接結合し、インフラマソームの活性化に関与するタンパク質が存在する可能性が高いと考えられる。そこで、NLRP3に結合するタンパク質を探索するために、各種刺激に応じてNLRP3と共免疫沈降するタンパク質を回収および精製し、質量分析を行い、結合タンパク質の探索および同定を試み、いくつかの候補因子を見出している。引き続き、同定した分子が、NLRP3のストレス感知機構に関わるか否かを検討するために、当該分子とNLRP3との相互関係を免疫共沈降法、結合実験ならびにGFP等によるイメージングあるいは免疫染色を行った。さらに同定したタンパク質がインフラマソームの活性化に実際に関与するかを検討するために、レトロウイルスあるいはレンチウイルスを用いた過剰発現実験、shRNAを用いたノックダウン実験等を行い、NLRP3インフラマソームの活性化に対する効果を調べた。NLRP3インフラマソームの活性化は、培養上清中のIL-1b分泌量および活性化型Caspase-1を指標に評価した結果、インフラマソームの活性化に影響を及ぼす因子を発見した。この因子が新規のインフラマソームの制御因子である可能性を考え、その作用機序などを解明するために、生体内を含め更なる解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インフラマソームの活性に関与する因子を同定し、その機能解析を進めており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、インフラマソームの構築あるいはインフラマソーム関連因子の発現誘導に関連するかなどを含め、その作用機序を探索する。同定した候補タンパク質に関しては、カルシウムシグナルとの関連性を含め、機能解析を進めつつ、生体内でのこの因子の機能についても解析を試みる。
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